熱中症対策としてエアコン でも動かす前に注意が必要

暑い日が続き、熱中症への注意が必要です。熱中症の発生場所、実は、もっとも多いのは住居だということです。
エアコンがある方は、熱中症対策としてそろそろ動かそうと考えている人もいらっしゃるかもしれませんが、その前には注意が必要です。

今週は、道内各地で気温の高い日が続いていますが、暑さ対策として、家庭でエアコンを使っているかどうか札幌市の大通公園で市民に話を聞いたところ、ほとんどの人がまだ使っていないと話していました。
2歳の娘を連れた30代の母親は「まだなんとか扇風機だけで過ごしています。6月なので、粘れるところまで粘ろうと思っています。子どもがいるので、汗だくだったらエアコンは使おうかなと思っています」と話していました。
また、3歳の娘を連れた30代の父親は「雨が降ると蒸し暑くなるので、エアコンをつけようかなと思います。エアコンの掃除は自分でやるようにしています」と話していました。
一方、28日に今シーズン初めてエアコンを使ったという60代の女性は「日中は窓を開けて涼んでいましたが、夜に部屋の湿度が70%を超えたので、我慢できずに除湿モードを使いました。涼しくて快適でした」と話していました。

【熱中症は4割が室内】
この暑さで注意しなければならないのが熱中症。
実は、自宅で過ごしているときこそ特に注意が必要です。
熱中症の発生場所について、NITE=製品評価技術基盤機構が消防庁の資料をもとにまとめたところ、▼「住居」がおよそ4割と最も多く、▼次いで道路工事の現場や工場といった「仕事場」が1割余りなどとなっています。
NITEは、熱中症対策としてエアコンを上手に活用するよう呼びかけています。

【エアコンから出火も】
一方、エアコンを使うときには火災に注意が必要です。
NITEによりますと、エアコンに関わる火災や事故が去年までの5年間に全国であわせて343件発生し、10人が死亡、28人がけがをしたということです。
343件の火災や事故のうち9割以上が火災で、特に7月と8月に集中しているということです。
NITEが行ったエアコンの火災を再現した実験では、洗浄液で内部を清掃した際、電気部品に液がかかり、電源をつけたあとに煙とともに内部から燃えていく様子が確認できます。
また、エアコンの電源コードを継ぎ足して接続した別の実験では、接続不良で発火する様子が確認できます。

【エアコン試運転の方法】
エアコンの故障による火災を防ぐには、本格的に稼働させる前に試運転を行い、問題なく動くかどうかを確認することが重要です。
試運転のやり方について、札幌市中央区にある家電量販店で白物家電を担当する佐々木大空さんに話を聞きました。
佐々木さんによりますと、内部のフィルターやコンセントにほこりがたまっていないかを確認した上で、▼設定温度を最低の温度にし、▼30分程度運転して、異音や異臭などがないかを確認してほしいということです。
例えば、異音がモーターの故障によるものであれば、火災につながる可能性があるということで、試運転で違和感を感じたらすぐに止めて、業者や家電量販店に修理を依頼してほしいと話しています。
佐々木さんは「音と臭いが違和感を感じやすいと思います。違和感があっても無理して使い続けると、エアコン自体の故障の心配や健康のリスクにもつながるので、注意してほしいです」と話していました。

【消防が火災注意呼びかけ】
札幌市消防局も、エアコンの火災に注意するよう呼びかけています。
消防によりますと、道内ではエアコンの使用が始まる6月から7月にかけて特に注意が必要で、過去の事例では▼洗浄液を使って内部を清掃した際、拭き残しが基盤に付着して出火したり、▼延長コードを使用したことでコードが発熱して出火したりしたケースがあったということです。
札幌市消防局予防課の高瀬一憲さんは「エアコンに火災のリスクがあることはあまり知られていませんが、注意が必要です。北海道はこれから暑くなりますが、エアコンを上手に使って体調管理に気をつけてほしい」と話していました。