放牧の牛襲うヒグマ 対策会議で捕獲に向けた方針を確認

道東の標茶町と厚岸町で通称「OSO18」と言われるヒグマに牛が相次いで襲われている問題で、28日、対策会議が開かれ、被害が出た場合には牛を放置した上でわなを設置して捕獲を試みる方針などを確認しました。

道東の標茶町と厚岸町では2019年から去年にかけて放牧中の牛あわせて65頭が襲われ、いずれも同一のオスのクマ、通称「OSO18」による被害とみられています。
28日に標茶町で開かれた対策会議には道や自治体の担当者、それに専門家などおよそ30人が出席し、最初に今月24日、町内で襲われて死んだ牛はDNA鑑定の結果、OSO18によるものと確認されたことが報告されました。
その上でこの夏に向けての対策としては、▼去年、被害にあった牛を放置したところ森の中に引き込まれるケースがあったことから、牛が被害にあった場合、その牛を放置した上でわなを設置して捕獲を試みること、そして▼通り道と推測される周辺に体毛を採取するわなやカメラを設置して行動経路を特定することなどを行うことが確認されました。
特別対策班のリーダーを務めるNPO法人南知床・ヒグマ情報センターの藤本靖主任分析官は「今は捕獲へ王手がかかっている状態だと思っている。去年はもう一歩まで追い詰めているので、ことしはなんとか捕獲までつなげたい」と話していました。