北海道ワイルズ アジアリーグ加盟申請 チームは合宿入り

釧路市を拠点とするアイスホッケーの新チーム、「北海道ワイルズ」が来シーズンからのアジアリーグ参戦を求めて、25日夜、リーグに加盟を申請しました。

「北海道ワイルズ」は給与の未払いが続いた「ひがし北海道クレインズ」を離脱した選手や監督らの受け皿として、発足し、クレインズを離脱した16人と、新たに加入した5人をあわせた21人の体制となりました。
26日からは標茶町で4日間の日程で合宿をはじめ、参加した20人は午前中から坂道ダッシュで筋持久力を鍛えるトレーニングなどをしていました。
そして、ワイルズはことし9月に始まる来シーズンからのアジアリーグ参戦を目指して、25日夜、リーグに加盟を申請しました。
シーズンを通じて安定的な経営ができることを示すため、財務状況やスポンサーからの資金調達の計画などを提出したということです。
ただ、リーグの規約では来シーズンからの加盟申請は去年の年末ですでに締め切られているほか、リーグ側は今月、クレインズが来シーズンもアジアリーグに残ることを容認する考えを示しています。
今後、リーグ側がワイルズの加盟について審査を行うことになりますが、どう対応するかが焦点となります。
キャプテンの大津晃介選手は「ハードなメニューをチームみんなで乗り越えられたと思う。自分たちは一歩ずつ進むことしかできないので、シーズンが開幕して100%の実力を出せるように地道にトレーニングを重ねたい」と話していました。
齊藤毅監督は「選手が覚悟を決めて一生懸命取り組んでいると感じた。加盟申請やリーグ参戦に向けてはスタッフが頑張ってくれているので、僕たちにできることはしっかり準備をすることだ。選手の頑張りが少しでもたくさんの方に届けばいいなと思う」と話していました。
今後の焦点は、「ひがし北海道クレインズ」がメンバーを確保できるのか、アジアリーグが「北海道ワイルズ」の加盟を認めるかです。
リーグの規約ではチームの参加資格の要件として「選手を15名以上保有していなければならない」とあります。
昨シーズン、クレインズでプレーした選手は給与の未払いを受けて18人全員が離脱し、このうち移籍や引退した人を除く16人がワイルズに加入しました。
このため、クレインズは9月からのアジアリーグに参戦するためにゼロから15人以上の選手を集める必要があります。
ほかのチームからの移籍や、新人や外国人選手を獲得するなどの方法がありますがその場合、地元やファンから釧路に根ざしたチームとして理解が得られるかが課題となりそうです。
また、財政基盤の強化と安定的な運営も求められます。
アジアリーグの対応も焦点です。
アジアリーグは6月2日、声明を発表し、クレインズについて「来シーズンへの参戦の準備についても特段の問題がない」として、クレインズが来シーズンもアジアリーグに残ることを容認する考えを示しました。
すでに来シーズンの試合日程もクレインズを入れて組まれており、このまま判断が変わらなければワイルズは選手は揃っているものの、来シーズンリーグでのプレーはできなくなります。
一方、クレインズはリーグ参戦は容認されたものの、9月までに選手・監督を揃えなければ試合自体が成り立たなくなります。
リーグの規約では来シーズンからの加盟申請は去年12月31日ですでに締め切られていて、リーグ側は新たなチームの加盟申請があれば来年・2024年以降のシーズン加入について審査を行うとしています。
リーグ側が加盟の申請を受けて、今後、どのような対応をとるのか、注目されます。