札幌南区 親子と見られるクマ3頭目撃 警察が通学路で警戒

先週、親子とみられる複数のクマが目撃された札幌市南区の地区で25日夜、再び親子とみられる3頭のクマが目撃されました。警察は周辺の小学校の通学路などで警戒にあたっています。

警察によりますと、25日午後7時20分ごろ、札幌市南区北ノ沢で道道82号線を北から南に横断するヒグマ3頭を見たと車で通りかかった男性から通報がありました。
警察によりますと2頭の子グマを含む親子だとみられるということです。
この地点から南東におよそ900メートルの場所にある小学校では、26日朝、車で児童を送り届けたり、登校に付き添ったりする保護者の姿が見られました。
また、登校時間にあわせて警察がパトカーを出し、通学路で警戒にあたっていました。
先週、▼北ノ沢地区では親子とみられる複数のクマが目撃されたほか、▼東に3キロほど離れた藻岩山の斜面ではクマ4、5頭が目撃されていて、警察と市が付近に住む人に注意を呼びかけています。
登校する子どもに付き添った30代の男性は「通学の時間にクマが出るのではと子どもも不安だと思うので、ついて行ける時は一緒に登校して見送りたいです」と話していました。

【“広い範囲を移動する恐れ”】
札幌市は、クマの出没が相次いでいることを受けて26日、警察や猟友会の担当者らも加わった「ヒグマ対策委員会」の会合を開き対策を協議しました。
その中で、今月20日ころから札幌市南区に出没しているクマは、ヒトへの警戒心が少ない大人のオスのクマだと考えられることや、今後、緑地や川に沿って広い範囲を移動する恐れがあり、南区に加えて豊平区でも出没に警戒する必要があることなどが報告されました。
2019年夏に江別市にある野幌森林公園などの市街地周辺で出没を繰り返し駆除されたクマも、遠く離れた真駒内公園で目撃されていたということです。
このため26日の会合では、市民の安全を最優先に考え、問題の個体については駆除を前提に対応を進める方針が示されました。
ヒグマ対策委員会のメンバーでクマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は「クマが市街地周辺の森林に住み、人になれると、街の中へクマが入ってくる可能性がある。人への警戒心が低いクマは積極的に捕獲する必要がある」と話しています。