八雲町5人死亡事故 20年前から事故防止の改善要望29件

バスの乗客ら5人が死亡する事故が起きた道南の八雲町の国道について、事故防止のため改善を求める地元住民の要望が20年前からあわせて29件、国や警察に寄せられていたことが分かりました。

今月18日、八雲町野田生の国道5号線でトラックが対向車線にはみ出し都市間高速バスと正面衝突した事故では、5人が死亡したほか12人が重軽傷を負いました。
野田生地区では過去にも国道5号線で死亡事故が起きていて、道路の安全確保を求める地元町内会からの要望が2003年以降、国や警察にあわせて29件寄せられていたことが町への取材で分かりました。
要望の内容は、道路の拡幅工事や信号機の設置などを求めるものでしたが、路面の修繕などを除いては改善は進んでいなかったということです。
また、これとは別に、開発局は事故現場を含む国道5号線のおよそ14キロを「事故危険区間」に選定して集中的に安全対策を実施する対象としていましたが、今回の事故現場については対策はとられていませんでした。
北海道開発局函館開発建設部は「交通量や予算などを考慮しながら住民からの要望に対応している。今回の事故の原因が分かりしだい、警察や町と協力して対策を考えたい」としています。

【警察が事故車両調べる】
今月18日、八雲町の国道でトラックと都市間バスが衝突し5人が死亡した事故で、警察は22日午後、2台の事故車両の内部を調べました。
2台が保管されている北海道開発局函館開発建設部の八雲道路事務所では、捜査員が車内の遺留品などを回収し、「証拠品」と書かれた段ボールに収めていました。