札幌南区の真駒内公園 クマ目撃情報が相次ぎ当面閉鎖に

札幌市南区の真駒内公園は21日朝、クマの目撃情報が相次いだため、当面閉鎖されることになり、周辺では警察が警戒を強化しています。

21日午前5時半ごろ、札幌市南区の真駒内公園にある「札幌市豊平川さけ科学館」の南の方向にクマ1頭がいると近くを通りかかった女性から警察に通報がありました。
目撃されたクマは体長およそ1メートルで、公園内を通る道道82号線を横断して、南にある競技場の方へ向かったということです。
そのおよそ10分後には競技場近くの駐車場でもクマを目撃したといった通報が2件寄せられたということです。
これを受けて、公園を管理する道は敷地内を立入禁止にすることを決め、公園は当面、閉鎖されることになりました。
敷地にある「さけ科学館」や屋外競技場などの施設もすべて使用できなくなるということです。
公園付近では警察がパトカーで巡回して警戒にあたり、クマの出没を知らせるとともに公園内に立ち入らないよう呼びかけていました。
真駒内公園は豊平川に面した広さおよそ85ヘクタールの道立の公園で、今後、各出入り口に閉鎖を知らせる看板が順次、立てられるということです。

真駒内公園でランニングをしていたという50代の男性は「公園の中で警察官が注意を呼びかけていました。ランニングをするときはなるべく森に近づかないように気をつけています」と話していました。
近くを通りかかった80代の男性は「藻岩下でもクマが出ていたので安心できないですね。屋外にあまり長くいないようにします」と話していました。

【公園南側で足跡みつかる】
札幌市が調査したところ、真駒内公園では公園の南側にある「かしわ広場」の近くで長さ15センチほどのクマの足跡が見つかったということです。
市によりますと、大きさから大人のオスのクマのものと見られるということです。
また、およそ300メートル離れた屋外競技場の西口付近では、クマがアリを食べるために朽ちた木を掘ったような跡も確認されたということです。
市は、真駒内公園のほか、近くにある藻南公園についても当面閉鎖し、注意を呼びかけています。

【「ヒグマ注意報」対象地域拡大】
クマの出没が相次いでいることを受けて、道は、札幌市西区の山麓周辺に出していた「ヒグマ注意報」の対象地域を、中央区と南区の山麓周辺にも拡大しました。
道は、来月14日までこれらの地域で重点的に注意を呼びかけることにしています。