釣り客がクマに襲われた事故受け 幌加内町がクマ対策要綱素案

上川の幌加内町で釣り客がクマに襲われて死亡した事故を受けて、町は専門家などと対策を協議し、目撃されたクマが危険な個体と判断した場合は独自の対策本部を立ち上げ、駆除を迅速に要請するなどとした要綱の素案を示しました。

先月、幌加内町にある朱鞠内湖の湖畔で、釣りに訪れた男性がクマに襲われて死亡し、近くでクマ1頭が駆除されました。
事故を受け、幌加内町は道や地元の観光関係者、それにクマの生態に詳しい道総研=道立総合研究機構の研究員などをメンバーとする協議会を開き、今後の安全対策を話し合いました。
協議会は非公開で行われ、町によりますと、クマの目撃情報の内容からヒトを恐れずに襲ってくるような危険な個体と判断した場合、町長をトップとする独自の対策本部を立ち上げ、駆除に向かうハンターを迅速に要請することなどを定める要綱の素案を示しました。
協議会のあと、メンバーが朱鞠内湖畔のキャンプ場に移動し、クマの侵入を防ぐために周囲1キロにわたって設置を進めている電気柵を視察しました。
幌加内町の細川雅弘町長は「クマ対策のための新たな要綱案を急ぎ定めたい。安全対策をとったうえでキャンプ場を再開して、にぎわいを取り戻したい」と話していました。
町は7月上旬にはキャンプ場を再開させたい考えで、それまでに再び協議会を開いて要綱を取りまとめたいとしています。