八雲町国道5人死亡事故 現場にトラックのブレーキ痕なし

道南の八雲町の国道で対向車線にはみ出したトラックが都市間高速バスと衝突しバスの乗客ら5人が死亡、12人がけがをした事故で、現場にはトラックのブレーキ痕が残っていなかったことが警察への取材で分かりました。警察は、トラックが減速せずにバスにぶつかったとみて事故の原因を調べています。

18日、八雲町野田生の国道5号線で家畜の豚を運んでいたトラックが対向車線にはみ出し、札幌から函館に向かっていた都市間高速バスと正面衝突した事故では、バスの乗客3人と双方の運転手の合わせて5人が死亡したほか、12人が重軽傷を負いました。
警察は19日夜、トラックを所有する青森県の養豚会社「日本クリーンファーム」が八雲町内に置いている事業所を過失運転致死の疑いで捜索し、死亡した運転手の運行記録などを押収しました。
また、警察は20日夕方、トラックの運転手の自宅でも捜索を行い、午後5時半ごろに捜索を終えた3人の捜査関係者が車に乗って自宅をあとにしました。
これまでの調べで、事故現場にはトラックのブレーキ痕が残っていなかったことが警察への取材で新たに分かりました。
警察は、トラックが減速せずに対向車線のバスにぶつかったとみて、押収した資料の分析を進めるなどして事故の原因をさらに調べています。
また、トラックとバスは現場から離れた場所で保管されていて、警察は今後、▼衝突した際の速度や、▼車体の損傷具合、▼整備に問題がなかったかなどを詳しく調べることにしています。
これまでに、亡くなった乗客とバスの運転手の合わせて4人の死因がわかっていますが、トラックの運転手については司法解剖を行って死因を特定することにしています。

【国土交通相は】
八雲町の国道で対向車線にはみ出したトラックが都市間高速バスと衝突し5人が死亡した事故について、斉藤国土交通大臣は20日の閣議の後の会見で、「引き続き警察の捜査に協力するとともに、国土交通省としても事実確認を進め被害者支援など必要な対応を速やかに行っていく」と述べました。
国土交通省は事故対策本部を設置し、北海道運輸局がバスを運行する会社の運行管理の状況などについて確認を進めているということです。