江別 移住を強いられ亡くなった樺太アイヌをしのぶ墓前祭

およそ150年前に樺太、いまのサハリンから北海道への移住を強いられたあと亡くなった樺太アイヌをしのぶ墓前祭が行われました。

樺太アイヌは、かつての樺太の南部で独自の文化を持って生活していましたが、1875年に日本とロシアが結んだ「樺太千島交換条約」によって樺太で暮らしていた841人が強制的に移住させられました。
移住先は江別市の対雁地区で、コレラや天然痘の流行もあり300人以上が故郷に帰ることなく亡くなった歴史があります。
墓前祭は、樺太アイヌの人たちを追悼するため江別市の市営墓地で毎年行われていて、新型コロナの影響による規模の縮小を経てことしは4年ぶりに本来の形に戻して行われました。
17日は遺族や関係者などおよそ50人が参列し、お墓の前で焼香して手を合わせ故郷への思いを持ちながら亡くなった人たちをしのんでいました。
このあとヤナギの木を削って作った「イナウ」と呼ばれるアイヌの祭具をたてて食べ物を供えたほか、歌に合わせて樺太アイヌの踊りを踊りました。
実行委員会の田澤守さんは「強制移住の歴史を含めてほとんどの人は知らないと思います。多くの人に歴史を知ってもらえればと思います」と話していました。