釧路 クレインズ離脱の選手ら連盟に新チームのリーグ参戦要請

アイスホッケーチーム、「ひがし北海道クレインズ」を離脱する意向を示している監督や選手らが16日、日本アイスホッケー連盟を訪れ、「北海道ワイルズ」が運営する新チームのアジアリーグ参戦を要請しました。

クレインズは経営の悪化で給与の未払いが続いたため、選手やスタッフの大半はチームを離脱し、先月設立された「北海道ワイルズ」が運営する新チームに移籍する意向を固めています。
16日、ワイルズの山田謙治社長や新チームに移籍する意向の齊藤毅監督、それに3人の選手らがアジアリーグの上部組織にあたる東京の日本アイスホッケー連盟を訪れ、水野明久会長と面会しました。
この中で山田社長らは▼新チームの財務状況や▼地元企業からの支援の状況、▼選手との契約が進んでいることなどを説明し、来シーズンからのアジアリーグ参戦を要請しました。
また選手18人のうち栃木のチームに移籍する1人を除き、17人がクレインズに戻るつもりはないという考えを伝えたということです。
面会のあと山田社長は「『給与の遅配は地獄のようだった』という選手の声を聞いてもらった。リーグ加入の申請書類を提出するなど早急に動いていきたい」と話していました。
一方、アジアリーグはクレインズの来シーズンからのリーグ参戦を容認する考えを示していて今後の動向が注目されます。
面会のあと齊藤毅監督は「水野会長は『原点に戻って冷静な判断をしよう』と言ってくれたので、一歩進めたと思う。今の釧路の状況やファンの声を知って判断してもらいたい」と話していました。
大津夕聖選手は「選手たちの声を100%伝えなければいけないという思いがあった。子どもたちに夢を与えるため、新チームで一歩を踏み出す熱い思いをもった僕たちを後押ししてほしい。17人の選手の総意としてクレインズに戻る気はない」と話していました。
山崎勇輝選手は「一番望むのはアイスホッケーを続けること。いろんな方がサポートしてくれているので、ワイルズとしてスタートを切りたい」と話していました。
齊藤大知選手は「新しいチームに変わって健全な体制になるならば、選手としてまた一生懸命頑張りたい」と話していました。
日本アイスホッケー連盟の水野明久会長は面会のあとコメントを出しました。
この中では▼選手の経済的安定を図り、アイスホッケーに専念できる環境を提供できること、▼氷都・釧路のアイスホッケーのともし火をさらに輝かせること、▼リーグの円滑な運営と発展に努め、選手やファン、多くの国民に夢と希望を与えることを挙げ、「この3つを第一義に考えてリーグに対して、まずは選手や地元の声を聞き、事実関係に基づいて適切に解決することを再度求める」としています。