焼尻島 めん羊牧場8月末閉鎖へ 飼育員が確保できず

羽幌町の離島、焼尻島で町が運営する「めん羊牧場」が飼育員を確保できないとして、8月末で閉鎖されることになりました。

「焼尻めん羊牧場」は昭和37年にニシンの不漁対策として羽幌町が漁業者に羊を貸し与えたのが始まりで、昭和41年に町営化されて以降、半世紀以上にわたって高級品種の「サフォーク」を生産してきました。
町によりますと、牧場では3人の飼育員を確保して運営を続けてきましたが、去年9月からことし3月にかけ2人が退職し、残る1人も8月末までに退職する意向を示しているということです。
町は新たな飼育員を募集しましたが、人材が見つからなかったことから牧場の存続を断念し、8月末で閉鎖することを決めました。
牧場には5月末時点で、およそ340頭の羊が飼育されていて、閉鎖までにすべて出荷する予定だということです。
焼尻島でゲストハウスを経営する奥野真人さん(36)は「牧場の見学を楽しみに島に来る人が多いので、閉鎖は残念です。経営が難しいのは分かりますが、島の観光の柱なので、なんとか存続させてほしいです」と話していました。
羽幌町の農林水産課は「貴重な観光資源であることは重々承知しているが、閉鎖という結論が変わることはない。今後、牧場の跡を新たな観光資源としてどのように活用していくべきか、島民と一緒に模索していきたい」としています。