函館市の水産会社元専務 インサイダー取引で有罪判決

函館市の水産会社の元専務がインサイダー取引などを行った罪に問われている裁判で、函館地方裁判所は、懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

函館市に本社がある「三印三浦水産」の元専務、三浦隆司被告(60)は、3年前、社外取締役を務めていた都内の水産会社に関するTOB=株式公開買い付けの公表前の内部情報をもとに、この会社の株をおよそ2900万円分買い付けるインサイダー取引などを行ったとして、金融商品取引法違反の罪に問われています。
13日、函館地方裁判所の延廣丈嗣裁判長は、「みずからが社外取締役を務める会社の買収防衛策としてTOBが行われることを知り、犯行に及んだ。軽率な判断で株式の買い付けに及んだことは相応の非難を免れない」と指摘しました。
一方で「事件が発覚してから証券取引等監視委員会にみずから申告したほか、会社の役員から退き、法廷でも反省の弁を述べている」として、懲役1年6か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。
また、「三印三浦水産」に罰金100万円、被告が買い付けた都内の水産会社の株をすべて没収することを言い渡しました。