”「きつ音」を知ってほしい” 当事者などの団体が絵本制作

言葉がスムーズに出てこなかったり、つっかえたりしてしまう「きつ音」について知ってもらいたいと、言語聴覚士や当事者などがきつ音に悩む小学生を主人公にした絵本を制作し道内の子どもたちに届ける取り組みが行われています。

絵本を制作したのは、言語聴覚士やきつ音の当事者などでつくる団体「北海道吃音・失語症ネットワーク」で、メンバーがみずからの体験などをもとに話しあいを重ね、1年以上かけて制作しました。
絵本では、思うように話すことができない小学2年の男の子が一歩を踏み出して、きつ音であることを知り、友だちなどに理解を求め、周囲も少しずつ変わっていく様子が描かれています。
この団体では今後、この絵本を言語障害がある子どもたちが通う「ことばの教室」などに無料で送るほか、絵本の売り上げは障害がある子どもたちのために寄付されるということです。
絵本を制作したきつ音当事者の寺島渓さんは、「小学校の頃、きつ音について知らず、なぜ他の人と同じようにすらすら話せないんだろうと不安がありました。まずは、きつ音について知ってもらい、つらい思いをしているのは自分1人ではなく、周囲の人に相談していいということを伝えたいです」と話していました。
言語聴覚士の三谷潤さんは、「きつ音で悩んでいる子どもたちに当事者の思いを伝えるとともに保護者にとってもお子さんを応援する手がかりになればと思います。また、学校の先生にも手にとってもらい、みんなで応援できる体制につながればと思います」と話していました。