層雲峡と天人峡に放置の廃ホテル 国が撤去・明け渡し求め提訴

上川の観光地、層雲峡と天人峡の国有地に廃虚となっているホテルが長年放置されている問題で、国が、ホテルを所有する会社に対し、建物を撤去して土地を明け渡すよう求める訴えを起こしたことが分かりました。

▼上川町の層雲峡温泉にある「ホテル層雲」と、▼東川町と美瑛町にまたがる天人峡温泉にある「天人閣」は、いずれも昭和40年(1965年)前後に国有地を借り受けて建設されましたが、経営不振のため、平成30年(2018年)までに閉鎖されています。
その後、そのまま放置され、廃虚となっていることから、地元の自治体や国は観光地の景観を損ねているうえ、傷んだ外壁が崩落するおそれがあるとして、解体・撤去する方針を決めています。
こうしたなか、国はホテルを所有している3つの会社に対し、国有地の使用許可を更新せず不法に土地を占有しているとして、建物の撤去と土地の明け渡しを求める訴えを旭川地方裁判所に起こしたことが分かりました。
地元の自治体によりますと、3社は事業の実態がなく、撤去費用の負担などは見込めないということで、訴えが認められた場合、国は所有者に代わって建物を解体する強制執行を裁判所に申し立てる考えです。