“地域の存続”に強い危機感 酪農家と農水省が帯広で緊急会合

飼料価格の高騰などで酪農家の経営環境が厳しさを増すなか、農林水産省の担当者と意見を交わす緊急の会合が帯広市で開かれ、出席者からは多くの酪農家が離農し地域の存続に関わるなどとして強い危機感が示されました。

2日の会合は、道内の酪農家の経営上の課題や国への要望を聞き取るために農林水産省が参加して初めて行われ、道東を中心に酪農法人の経営者35人が出席しました。
会議の冒頭、北海道農業法人協会の会長を務め、十勝の上士幌町で酪農法人を経営する小椋幸男社長が「国としても対策を打っていただいているが、経営環境は非常に厳しい。本州と北海道でも大きな違いがあるので、多くの意見をいただきたい」などと述べました。
このあと会合は非公開で行われ、出席者によりますと、酪農家からは▽道東でも多くの酪農家が離農していて、地域の存続に関わる問題になっているなどと強い危機感が示されたほか、▽今の経営を維持するために緊急の対策として経産牛1頭あたり10万円の支援をしてほしいといった要望が出たということです。
一方、農林水産省の担当者からは、現状を打開するには生産コストの上昇分を乳価に適切に反映できる仕組みが必要で、価格に転嫁しても消費者の理解を得られる仕組み作りを検討したいという説明があったということです。
会合のあと、小椋会長は「北海道の現状について時間をかけて意見交換できたことはよかったと思う。こうした場を今後も設けてもらいたい」と話していました。