道教大元教授が中国で拘束されて4年 研究者仲間が釈放訴える

北海道教育大学で長年教べんをとってきた中国人の元教授が、一時帰国した中国でスパイ容疑で拘束されてから4年となるのにあわせて、研究者の仲間たちが記者会見を開き、1日も早い釈放を訴えました。

北海道教育大学の教授だった袁克勤さんは4年前の2019年5月、一時帰国した中国でスパイ容疑で拘束されたあと起訴され、現在の詳しい状況は分かっていません。
道庁では30日、研究者の仲間たちで作る「袁克勤先生を救う会」のメンバーが記者会見を開き、代表を務める北海道教育大学の百瀬響教授がアピール文を読み上げました。
この中で、「裁判の進展もなく、いまだに判決が出ていないことは、袁先生が『スパイ容疑』の罪状を一切認めていないことを意味していると思われる」と指摘し、中国政府に対し、袁さんを1日でも早く釈放するよう訴えました。
そのうえで、日本にいる多くの研究者は、いつどこで「スパイ容疑」をかけられるか分からず、中国への渡航に二の足を踏んでいるとして、問題解決の必要性を強調しました。
会見のあと、「救う会」のメンバーの北海道大学・岩下明裕教授は「大きい声にしたからといって問題が解決するわけではないが、忘れない、これでいいのかという声を解放されるまで上げ続けることは大事だ」と話していました。

一方、中国外務省は、今月26日の記者会見で袁克勤さんの体調や裁判の進捗状況を尋ねる質問が出ましたが、毛寧報道官は「私は具体的な状況は知らない。伝えられるのは中国が法治国家であり、法に基づいて関連する案件を審理しているということだ」と述べるにとどまりました。