水揚げゼロ 寿都町・島牧村でコウナゴ記録的不漁

後志の寿都町や島牧村の沿岸でとれるイカナゴの稚魚、「コウナゴ」。地元ではこのコウナゴを使ったしらす料理が人気です。ところが、今シーズンは水揚げ量がゼロの記録的な不漁となっていて、地元経済への影響を懸念する声も上がっています。

後志の寿都町と島牧村は、イカナゴの稚魚「コウナゴ」の道内屈指の水揚げ地として知られていて、夏の観光シーズンにはこのコウナゴを使ったしらす料理を求める観光客でにぎわいます。
ところが、両町村の漁協によりますと、ことしのコウナゴ漁が先月下旬から始まったものの記録的な不漁が続いていて、これまでのところ水揚げ量がゼロにとどまっているということです。
例年、漁は来月初旬まで続けられますが、採算があわないとして、▼島牧村では多くの漁船がことしの漁を終えたほか、▼寿都町でもほとんどの漁船が今週いっぱいで漁を終える見通しです。
寿都町漁協コウナゴ部会の阪内幸生部会長は「ゼロというのはこれまでなかったことです。通常の年収の3割程度にあたるので死活問題です」と話していました。
また、両町村では地元経済への影響を懸念する声も上がっていて、地元産のコウナゴを使ったつくだ煮を製造・販売している寿都町の水産加工会社では在庫が底を尽きつつあり、夏の観光シーズンまでもたないおそれがあるとしています。
このほか、寿都町内の飲食店では、ふだんは地元産のコウナゴを使ったしらす料理を提供していますが、ことしはやむを得ず静岡産を使っているということです。
「吉野商店」の吉野寿彦社長は、「地元産のものがあれば観光客が1日400人から500人来るが、今は200人程度でかなり減っています。解決策を見出すために国や道の支援をお願いしたい」と話していました。