JR単独維持困難8区間 利用促進・収支改善への事業概要発表

JR北海道は、「単独では維持することが困難」としている区間のうち地元や国に費用負担を求めている8つの区間について、利用促進や収支改善を目指した調査・実証事業の概要を発表し、観光での利用拡大やバスとの連携強化に向けた取り組みを行うとしています。

発表によりますと、▼観光での利用拡大に向けては、札幌から富良野まで運行する特急列車について、夏の観光シーズンにあたる7月の土日と祝日に富良野線を通って旭川まで運行するなどとしています。
また、▼バスとの連携強化に向けては、オホーツク管内の石北線の沿線住民を対象に札幌までの鉄道やバスの運賃の負担を軽減する事業を計画するなど、公共交通全体の利用拡大を目指した取り組みを行うなどとしています。
また、沿線住民を対象に利用の実態やニーズを調べることにしています。
JR北海道によりますと、これらの事業は国と道の補助を活用して行われ、国の補助は補助率が2分の1、道の補助は補助率が4分の1だということです。
一方、函館市長選挙で初当選した大泉潤市長が公約として掲げた北海道新幹線の函館駅への乗り入れに向けた調査について、JR北海道の綿貫泰之社長は記者会見で、「具体的な要請があれば鉄道事業者として協力していきたい」と述べた上で、「並行在来線は経営分離されるため、当社に新たな負担が生じることは考えていない」と述べました。