サンマ漁獲量の上限を過去最少に 農林水産省の審議会が承認

サンマの深刻な不漁が続いていることから農林水産省の審議会は、ことしの漁獲量の上限を去年より24%少ない11万8000トンあまりとするこれまでで最も少ない案を承認しました。

サンマの漁獲量は海水温の上昇や中国や台湾の漁船との競争激化などで減少していることから資源の回復が課題で、先月行われた北太平洋のサンマの資源管理を話し合う国際会議では、全体の漁獲量の上限をこれまでより25%少ない年間25万トンとすることで合意しました。
日本の漁獲量の上限は、国際会議での合意をもとに算定方法を決めていて、24日行われた農林水産省の審議会でことしの上限を去年より24%少ない11万8131トンとすることが承認されました。
内訳は、日本とロシアのEEZ=排他的経済水域の内側で、9万7044トン、公海で2万1087トンで、日本が漁獲量の上限を定めた1997年以降、最も少なくなっています。
ただ、去年の日本のサンマの水揚げ量は1万7910トンと上限を下回る水準が続いています。
このため日本政府としては、北太平洋全体での漁獲量の上限の引き下げなど、さらなる資源管理の強化を中国や台湾などに働きかけていく方針です。
水産庁の福田工審議官は「サンマの資源量は歴史的な低水準となり、懸念を持っている。適切な資源管理措置が導入されていくよう各国に働きかけていきたい」と話しています。