函館市長選挙 初当選から一夜 大泉潤氏“市政の改革に全力”

23日に投票が行われた函館市長選挙で初めての当選を果たした大泉潤氏は選挙から一夜明けた24日朝、「あらためてしっかりと市政の改革に取り組まなければならないと感じている」と述べました。

大泉氏は、子育て支援や教育環境の充実、それにふるさと納税の寄付額を年間100億円に増やす取り組みを進めるなどと訴え、4期目を目指した現職に7万票余りの大差をつけて初当選しました。
24日朝、大泉氏は函館市松風町にある後援会の事務所を訪れ、みずからの当選を伝える新聞の紙面に目を通しました。
そして、「本当にたくさんの人から支持をいただき、身が引き締まる思いで、あらためてしっかりと市政の改革に取り組まなければならないと感じている」と述べました。
さらに、「待ったなしの政策として物価高の中で苦しむ人たちへの対策をしたい。また、雇用の拡大や子育て支援や教育の充実などしっかり政策のパッケージを示していきたい」と抱負を述べました。
また、弟で俳優の大泉洋さんからお祝いのメッセージが届いたことを明かし、「『よくやったね』などと連絡が来て、大変喜んでくれていてうれしい」と話していました。

【当選証書付与】
大泉氏は午後2時すぎ、市役所を訪れ、函館市選挙管理委員会の田崎竹嗣委員長から当選証書が手渡されました。
当選証書を受け取ったあと、大泉氏は報道陣の取材に応じ、「非常に重たい1枚だと思います。たくさんの方から投票をいただいた期待に応えなければならないという気持ちでいっぱいです」と述べました。
大泉氏は今月27日に新しい市長として初登庁する予定です。

【街の声】
函館市長選挙の結果や新しい市政への思いを函館で街の人に聞きました。
80代の女性は「大泉さんが当選してうれしいです。今後の函館が若い人たちにとって良い街になっていくことを期待しています」と話していました。
また80代の男性は「大泉さんが公約に掲げた北海道新幹線の函館駅への乗り入れに向けた調査が順調に進むことを期待しています」と話していました。
地元の大学に通う女性は「大泉さんが当選したことで若い人が政治に興味を持ちやすくなると思う。函館市は観光地としては魅力があると思うが、市民の幸福度は低いと聞いているので、改善されることを期待しています」と話していました。
また別の大学生は「交通の不便さを感じることがあるので、公共交通網がもっと広がってくれたらうれしいです」と話していました。

【NHKのインタビューに】
函館市長選挙で初当選した大泉潤氏は24日、NHKのインタビューに応じ、公約に掲げた北海道新幹線の函館駅への乗り入れに向けた調査について、今年度中に調査結果をまとめる意向を明らかにしました。
《初当選について》
この中で大泉氏は、現職に7万票余りの差をつけて当選したことについて、「幅広い世代から支持を得られたかなと思う。党派を超えて応援いただいた」と振り返りました。
また、投票率が前回の市長選挙よりも9ポイント近く上昇したことについて、「これまで政治や選挙に関心がなかった層に投票所に足を運んでいただいたというのは大きな言い方をすれば社会の変化かなと思う。鉄は熱いうちに打てということばもあるが、今が若い人も含めて行政と市民が距離を縮めるチャンスだと思う」と話しました。
《公約「北海道新幹線の函館駅乗り入れ」》
公約に掲げた北海道新幹線の函館駅への乗り入れに向けた調査について、今年度中に調査結果をまとめる意向を明らかにし、「函館が経済や市街地の発展も含めて一点突破する起爆剤のひとつが新幹線乗り入れだ。それにかける投資と費用対効果がどこまで理解を得られるかだと思っている」と述べました。
《そのほかの政策について》
選挙戦で掲げたおよそ140の政策のうち、優先して取り組むことについて、「まずは物価高に悩む市民への支援をしなければならない。そして子育てと教育では、例えば第2子以降の保育料の無償化や小学1年生への10万円支給などを早くやらなければならない。一方で、高齢者が非常に多い街で、1人暮らしの高齢者がとりわけ多い特徴もあるので高齢者福祉も速やかに着手していきたい」と話しました。
人口減少対策や雇用の創出については、「地元企業の活性化と企業の誘致、スタートアップのような起業の推進が重点的なテーマになってくる。企業誘致もまだまだ本腰を入れられる」と述べました。
ふるさと納税の寄付額を年間100億円に増やすとする取り組みについては、「市でしっかりプロモーションをしていくという明確な態度を打ち出すことで、返礼品を作る企業も稼ぐ知恵を発揮する場ができることになる。官と民で力を合わせた取り組みにしていきたい」と話しました。
また、観光客1人あたりの消費額を倍増させるとしたことについては、「富裕層向けのホテルを誘致することと、富裕層向けのコンテンツを用意することを同時に進めていくことで消費額を増やしていきたい」と述べました。
《選挙戦での政党の支持・推薦について》
今回の選挙で大泉氏は立憲民主党の支持を受け、現職は自民党と公明党函館総支部の推薦を受けていました。
これついて大泉氏は「私は無所属で市民党という立場だ。まちづくりを進めるにあたって、政党にこだわりすぎてはならないのはどこの首長でも同じだ。北海道にしても政府にしても政権与党の国会議員や道議会議員にしっかり要望していきたい」と話していました。