函館市長選挙 新人で市の元部長の大泉潤氏の当選が確実

現職に新人が挑んだ函館市長選挙は、無所属で、立憲民主党が支持した新人の大泉潤氏の初めての当選が確実になりました。
函館市長選挙は午後9時半に開票が始まりました。
選挙管理委員会からの発表はまだありませんが、NHKの事前の情勢取材や23日に投票を済ませた有権者を対象にした出口調査では、立憲民主党が支持した市の元部長の新人、大泉氏が、自民党と公明党函館総支部が推薦し、4期目を目指した現職の工藤氏を引き離してきわめて優勢です。
また、開票所で行っている取材でも、今後、順調に得票を伸ばすと見込まれることから大泉氏の初めての当選が確実になりました。
大泉氏は、江別市出身の57歳。
1995年(平成7年)に函館市役所に入り、秘書課長や観光部長、保健福祉部長などを務めました。
選挙戦で、大泉氏は、3期12年にわたるいまの市政からの転換を掲げ、「函館が選ばれるまちになるよう都市としてのステータスを引き上げる」と訴えました。
さらに、子育て支援や教育環境の充実に力を入れるとともに、函館駅への新幹線乗り入れに向けた調査や、ふるさと納税の寄付額を年間100億円にまで増やす取り組みを進めるなどと訴えました。
そして、支持を受けた立憲民主党の支持層を固めたほか、工藤氏を推薦した自民党や公明党の支持層、それに無党派層からも幅広い支持を集めて、初めての当選が確実になりました。

【喜びの声と敗戦の弁】
函館市長選挙で当選が確実となった新人の大泉潤氏は、「函館をあきらめない多くの皆さんに党派を超えて支援していただいた結果、いまの勝利があると思う。市民や地域が分断されることはあってはならず、国籍や年齢、性別、政党を超えて誰もが幸せを感じられる社会を実現する誰一人置き去りにしない寄り添う行政に全力を尽くしていく」と述べました。
また、記者団の取材に対し、「函館を変えていく、地域の誇りを取り戻すという考えが伝わった。雇用拡大のほか、子育て・教育といった未来のための投資をするとともに、若い人に選ばれるよう都市ブランドを高めていく。物価高対策を早急に実施する」と話していました。
一方、函館市長選挙で落選が確実となった現職の工藤寿樹氏は、「3期12年の間、全力を尽くして市政を運営してきた。ここ3年は新型コロナで思うような活動ができず不本意ではあったが、前向きに仕事をさせていただいた。新型コロナで経済と市民生活が圧迫されたが今後、まちが活性化していくことを期待している」と述べました。

【NHK出口調査では】
NHKは、23日、有権者の投票行動や政治意識を探るため、函館市長選挙で出口調査を行いました。
調査は市内16の投票所で投票を終えた有権者1980人を対象に行い、69.6%にあたる1378人から回答を得ました。
一方、22日までに有権者のおよそ21%が期日前投票を済ませていますが、これらの方々は調査結果に含まれていません。

《支持政党》
函館市長選挙の出口調査では、投票した人に、ふだん支持している政党について尋ねました。
▼自民党が34%、▼立憲民主党が27%、▼日本維新の会が1%、▼公明党が5%、▼共産党が4%、▼国民民主党が1%、▼れいわ新選組が2%、▼特に支持している政党はない、いわゆる無党派層が24%でした。
無所属の新人の大泉さんは、▼自民党の支持層の70%台半ば、▼立憲民主党の支持層のおよそ90%、▼公明党の支持層のおよそ70%、▼共産党の支持層の80%あまり、▼特に支持している政党はない、いわゆる無党派層のおよそ90%から支持を得ました。
無所属の現職の工藤さんは、▼自民党の支持層の20%台半ば、▼立憲民主党の支持層のおよそ10%、▼公明党の支持層のおよそ30%、▼共産党の支持層の20%近く、▼無党派層のおよそ10%から支持を得ました。

《年代別》
函館市長選挙の出口調査の結果を年代別に見ますと、▼10代と20代の80%あまりが無所属の新人の大泉さんに投票しています。
▼30代のおよそ90%が大泉さんに投票しています。
▼40代のおよそ90%が大泉さんに投票しています。
▼50代の80%台半ばが大泉さんに投票しています。
▼60代の80%台半ばが大泉さんに投票しています。
▼70歳以上の70%台後半が大泉さん、20%あまりが無所属の現職の工藤さんに投票しています。

《男女別》
函館市長選挙の出口調査の結果を男女別に見ますと、▼男性のおよそ80%が無所属の新人の大泉さん、およそ20%が無所属の現職の工藤さんに投票しています。
また、▼女性の80%台半ばが大泉さんに投票しています。

《工藤市政の評価》
函館市長選挙の出口調査で工藤市政への評価について尋ねたところ、▼「大いに評価する」が9%、▼「ある程度評価する」が42%、▼「あまり評価しない」が32%、▼「全く評価しない」が17%でした。

《投票で重視したこと》
函館市長選挙の出口調査では投票で重視したことについて尋ねました。
▼「政策・公約」が40%、▼「人柄・イメージ」が38%、▼「経歴・実績」が15%、▼「政党・団体の支援」が6%でした。
大泉さんに投票したと答えた人が投票で重視したことは、▼「政策・公約」と▼「人柄・イメージ」がそれぞれ41%、▼「経歴・実績」が11%、▼「政党・団体の支援」が6%でした。

《期待する政策》
函館市長選挙の出口調査で新しい市長に期待する政策について尋ねたところ、▼「経済・雇用対策」が44%、▼「医療・福祉の充実」が22%、▼「教育・子育て支援」が17%、▼「財政の健全化」が13%、▼「新型コロナウイルス対策」が2%、▼「防災対策」が1%でした。
大泉さんに投票したと答えた人のうち、新しい市長に最も期待する政策は、▽「経済・雇用対策」が44%、▽「医療・福祉の充実」が22%、▽「教育・子育て支援」が18%、▽「財政の健全化」が13%、▽「新型コロナウイルス対策」が2%、▽「防災対策」が1%となりました。

《4期以上の多選》
函館市長選挙の出口調査で4期以上の多選について尋ねたところ、▼「弊害がある」が56%、▼「弊害はない」が44%でした。

《前回市長選投票先》
函館市長選挙の出口調査では、前回の市長選挙で工藤さんに投票したと答えた人のうち、70%台後半が今回は大泉さんに投票したと答えました。今回も工藤さんに投票したと答えた人は20%あまりでした。

《工藤市政への評価》
函館市長選挙の出口調査で工藤市政への評価について尋ねたところ、▼「評価する」が52%、▼「評価しない」が48%でした。