江差高看男子学生自殺 第三者委“パワハラ4件 自殺に関連”

教員による学生へのハラスメントが相次いだ道立江差高等看護学院。4年前に男子学生が自殺した問題で、道の第三者委員会は、学生が提出したリポートを期限より1分遅れたとして受け取らなかった行為など、教員3人のあわせて4件の行為をパワーハラスメントと認定し、いずれも自殺に関連しているとする調査結果をまとめました。

4年前の2019年、当時、道立江差高等看護学院の男子学生が自殺し、道の第三者委員会は、遺族からの申し立てを受けて去年から教職員や元学生から話しを聞いてパワーハラスメントの有無や自殺との関連を調査しました。
24日まとまった調査結果によりますと、▽学生が提出したリポートを期限より1分遅れたとして受け取らず留年としたことや、▽侮辱的な暴言を行ったことなど教員3人のあわせて4件の行為をパワーハラスメントと認定しました。
その上で、4件がいずれも学生の自殺に関連しているとしています。
調査結果ではこうしたハラスメントの背景について、学校全体にハラスメントを許容する雰囲気があり、学生の指導のありかたについて問題があったと認定しています。
第三者委員会の座長を務める須田布美子弁護士は「学校全体として、学生を尊重して育てようという意識がなかったという問題がハラスメントを許してきた。管理監督責任のある歴代の学院長やひいては道にも責任があると考えている。2度とこのような悲しいできごとがないよう改善の努力を続けてほしい」と述べました。
道立江差高等看護学院では、複数の教員が不適切な言動で指導しているという訴えが相次ぎ、道が設置した別の第三者委員会が53件のハラスメントがあったと認定していますが、亡くなった男子学生に対するハラスメントは確認されていませんでした。

【知事がコメント】
第三者委員会の調査結果を受けて、鈴木知事は「結果を大変重く受け止めており、ご遺族に対し深くお詫び申し上げます。内容を精査した上で調査結果とあわせて道の対応方針をご遺族に説明させていただくなど、今後ともご遺族のご意向を伺いながら誠意を持って対応してまいります」とするコメントを出しました。