イワナは泳ぎ出す前に“あくび” 行動変化のスイッチか
淡水魚のイワナが、「あくび」に似た行動をするのは泳ぎ出す直前に多いという観察結果を北海道大学の研究チームが発表し、研究チームは、魚でもヒトなどと同じように「あくび」が行動の変化を引き起している可能性があるとしています。
ヒトなどの霊長類や哺乳類がする「あくび」は行動の変化を引き起こすスイッチのような覚醒作用があると考えられています。
一方、魚類もあくびに似た行動を示すことが知られていますが、詳しい役割などは解明されておらず、北海道大学の研究チームは鹿部町の川から採取した3センチほどのイワナの稚魚41匹の動きを水槽で観察しました。
その結果、イワナがあくびのような行動をするのは水槽の底でじっとしているときに多く、特に泳ぎ出す直前に集中して見られたということです。
このことから研究チームは、イワナもヒトなどと同じようにあくびが行動の変化を引き起こしている可能性が示されたとしています。
研究を行った北海道大学水産科学院博士後期課程3年の山田寛之さんは「魚類は最初にあごを持った生き物といわれているので、地球上で最初のあくびは魚ということになるかもしれない」と話しています。
研究チームは、イワナが口を開ける大きさやタイミングなどをさらに調べ、あくびに似た行動の詳しい役割を解明したいとしています。