なぜ真冬にヒグマが出没? 対策どうすれば
年末、札幌市の円山地区に出没したヒグマについてです。なぜ真冬のこの時期に出没したのか、冬のヒグマ対策について考えます。
【大みそかに】
12月31日、札幌市中央区。
円山西町2丁目の住宅街にある児童相談所の敷地内でクマの姿が目撃されました。
体長は2メートルほどだったということです。
その後も、町内では円山西町1丁目で2件、円山西町3丁目で1件、クマの姿や足跡を目撃したという通報が相次ぎました。
現場は円山動物園にほど近い住宅街で山沿いにあります。
市によりますと、クマは比較的若い個体と推定され、出没したあとは付近の山に入っていったとみられています。
【専門家の話】
ヒグマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は、この時期にクマが出没したことについて、「クマが冬眠に入る時期というのはかなりばらつきがあり、12月下旬に出る個体がいても珍しくはない。まだ冬眠に入る前のクマが森の中を歩いていたら住宅街に出てきてしまったということではないか」としています。
冬眠しているクマが人が森の中で行う作業などによって目を覚ましてしまうケースもあるということで、佐藤教授は「過去には林業の作業中や、山中を人が歩いていて冬眠穴の近くを通過したときにクマが飛び出してきた事例もあり、そうした恐れはあると思う」と話しています。
そのうえで、クマとの事故を引き起こさないための対策について、佐藤教授は「クマを正しく恐れることが重要で、『札幌市周辺にある森林にはいつでもクマが暮らしている』ということをよく知ってもらうことが大切だ。ゴミを出す際もネットで囲むなど、きちんとルールを守ってもらうことが大事だ」と話しています。