旭川市のメーカー開発の「臓器保存装置」 国産として初認証
旭川市の機械加工メーカーが開発した、移植手術のためにドナーから提供された腎臓を長時間にわたって保存できる装置が、国産としては初めて厚生労働省から製造と販売の認証を受けました。
この装置は、旭川市の機械加工メーカー「中央精工」が旭川医科大学の依頼で開発しました。
腎臓の血管に酸素や栄養分を含んだ特殊な保存液を流し込むことで、臓器の機能を損なわず長時間保存できるほか、移植が可能かどうかを判別することができます。
この装置を使った腎臓移植の臨床試験が2020年から東北大学などで行われていて、厚生労働省は12月5日、国産の臓器の保存装置としては初めて製造と販売を認証しました。
今回の認証を受け、メーカーはこの装置を使う臓器移植が保険適用の対象になるよう求めています。
メーカーや大学は保険適用により患者の経済的負担が軽減されることで装置が全国の病院に広く普及し、より多くの移植手術ができるようになると期待しています。
旭川医科大学の松野直徒特任教授は「国内には1万人を超える人が臓器移植を待っています。この装置を普及させてひとりでも多くの人が移植できるようにしていきたいです」と話していました。