別海町 成人式の対象18歳に引き下げの方針を見直しへ
成人年齢の引き下げに伴い、成人式の対象を18歳とする方針を示していた道東の別海町は、町民アンケートで「受験の時期や、進学に伴う経済的な負担が重なる」などとする反対意見が8割に上ったことを受けて、方針を見直すことになりました。
これは別海町の曽根興三町長が16日、NHKの取材に対し、明らかにしました。
別海町は成人式の対象について、「成人としての責任感や自覚を持ってもらうため」として段階的に18歳に引き下げる方針を示し、町民に周知していました。
しかし、ことし8月に町民にアンケートを行ったところ回答のあった286件のうち反対意見が8割に上ったことから対象を18歳とする方針を見直すことになりました。
反対意見の主な理由としては18歳では受験の時期や進学に伴う経済的な負担が重なることや、新成人側が成人式に対し、20歳になったときに故郷を離れた友人と再会する同窓会の意味合いを求めていることなどが挙げられたということです。
曽根町長は、今後、20歳を対象に「はたちのつどい」を開く一方、18歳に成人としての自覚を持ってもらえるような機会を設けることを検討するとしています。
曽根町長は、「着飾った同窓会的な集いと、成人になった責任と自覚を伝える催しの2つに分けて行っていくことを考えている。早急に検討していきたい」と述べました。
別海町の今年度の成人式は準備の都合などから当初予定していた通り、20歳と19歳を対象に行うということです。
法務省がことし1月に公表した調査結果では全国の自治体の8割以上が成人式は20歳で行うと回答し、18歳で開催するとしたのは別海町と三重県伊賀市の2つでした。
このほか、宮崎県美郷町では、ことし8月に18歳で成人式が行われました。
【道内のほかの市町村の成人式は】
道教育委員会のまとめによりますと、別海町を除く道内の自治体はいずれも、来年の成人式をこれまでと同様、20歳になる人を対象に行う予定です。
道教育委員会はことし4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられたことを受けて、道内の自治体が来年行う成人式を何歳の人を対象に行うか調査しました。
それによりますと、別海町を除く道内178の市町村のうち、今年度・令和4年度に20歳になる人とした自治体があわせて170、お盆に行うなどの理由から来年度に入って20歳になる人とした自治体が8つでした。
成人年齢は18歳に引き下げられたものの、成人式はいずれも、これまでと同様、20歳になる人を対象に行う形となりました。
18歳としない理由について、各自治体からは受験の時期に重なるとか、進学や就職から時間を置いて実施することでさまざまな経験を友人と共有できる、進学などの経費と成人式に参加するための出費が重なり、経済的な負担が大きいといった回答が寄せられたということです。
また、成人年齢の引き下げを踏まえ、「成人式」の名称を「二十歳の集い」や「二十歳を祝う会」などに変更する自治体もあるということです。
日程を見ますと、別海町を除く178の市町村のうち、札幌市や函館市、旭川市などあわせて136の自治体が成人の日の前日で3連休の中日にあたる1月8日に、道南の木古内町や上川の音威子府村などあわせて30の自治体が8日以外の1月に行うとしています。
このほかのあわせて12の自治体はお盆の帰省の時期に合わせるなどの理由から1月以外に行う予定です。
一方、新型コロナウイルスの感染対策として今回も多くの自治体が式典の時間を短縮する予定で、参加者の人数制限や会場を分散するなどの対応をとる自治体もあるということです。