五輪招致の賛否問う住民投票求める請願 札幌市議会で不採択

札幌市が目指す2030年冬のオリンピック・パラリンピック招致をめぐり、北海道大学の名誉教授らが招致の賛否を問う住民投票の実施を求めて提出した請願は市議会の調査特別委員会で採決が行われ、賛成少数で不採択とされました。

請願は地方自治が専門の北海道大学の神原勝名誉教授らが提出したもので、12日の市議会の調査特別委員会で審査が行われました。
この中で、神原名誉教授は「東京大会をめぐる汚職事件の拡大や不確実な費用負担への懸念などから賛否をめぐって市民の意思は大きく揺れている」などとして、札幌市に対し招致の賛否を問う住民投票を実施するよう求めました。
質疑のあと行われた採決の結果、賛成したのは共産党の会派だけにとどまり、請願は賛成少数で不採択とされました。
自民党、立憲民主党、公明党の各会派と無所属議員でつくる会派は「事件を踏まえクリーンな大会を実現する必要はあるが、招致自体の意義は揺らがない」などとして賛成しませんでした。
一方、賛成した共産党は「現状を踏まえたうえで改めて住民の意思を確認する必要がある」としています。
2030年冬の大会をめぐってはIOC=国際オリンピック委員会が今月開いた理事会で、開催地の決定を来年の総会よりもあとに先送りすることを決めています。