阿寒湖のマリモ“冬ごもり” 来春まで湖面の下で冬を越す

本格的な冬の訪れを前に釧路市の阿寒湖では観察施設で展示していた国の特別天然記念物「阿寒湖のマリモ」を湖に戻す「冬ごもり」の作業が行われました。
阿寒湖のチュウルイ島にある「マリモ展示観察センター」では春から秋にかけて水槽でマリモを展示していますが、冬の間は湖が凍って施設が閉鎖されるため、その前にマリモを湖に戻します。
2日は施設の管理を委託されている会社の社員らが遊覧船で島に渡り、「冬ごもり」の作業を行いました。
マリモは直径が3センチから25センチほどで、慎重にかごに移されたあと、桟橋から水深2メートルほどの場所に沈めて、ロープでくくりつけられました。
冬ごもりをするマリモは100個で、凍った湖面の下で冬を越します。
そして、来年4月下旬に引き揚げられて再び展示されます。
阿寒湖のマリモは地元の観光資源になっていますがことしのセンターの入場者数は4万人あまりと新型コロナの感染拡大前と比べて3割程度に落ち込んでいます。
釧路市教育委員会マリモ研究室の尾山洋一次長は「湖の中でゆっくり休んで、また春に元気な姿を見せてくれるのを楽しみにしている。新型コロナの感染状況は先行きが見えないが、来年も大きなマリモを見に来てほしい」と話していました。