日本製紙釧路工場跡地をサケ陸上養殖試験場に
去年、撤退した大手製紙メーカー日本製紙釧路工場の跡地について、サケの陸上養殖の試験場として活用することで関係者が合意したことがわかりました。跡地の活用方法が具体的に決まったのは初めてで、釧路市は今年度の補正予算案に補助金1100万円あまりを盛り込む方針です。
日本製紙釧路工場は需要の低迷から去年9月末に撤退し、およそ80ヘクタールの跡地の活用方法が課題となっていました。
釧路市の関係者によりますと、魚介類の養殖に実績がある滋賀県の企業が工場跡地を活用してサケの陸上養殖の実証実験を行うことで、市や土地を所有する日本製紙側と合意したということです。
跡地の活用方法が具体的に決まったのは初めてです。
実証実験は早ければ年内にも始まり、倉庫だった建物に直径5.5メートルの水槽を5つ設置し、およそ1000匹のサケを卵か、稚魚から育てることにしています。
実験は当面2年間行い、事業化が可能かどうかや、ほかの魚種にも広げられるかなどを検証するということです。
実験の費用はおよそ4200万円で、釧路市は12月の市議会に提案する今年度の補正予算案に、企業への補助金として1100万円あまりを盛り込む方針です。
魚介類の陸上養殖は、天候や赤潮の影響を受けないメリットがあり、とる漁業から育てる漁業への転換を進め、地域経済の活性化につながることが期待されます。