白滝遺跡群出土品が国宝指定へ 道内の国宝は2件目

オホーツク海側の遠軽町にある「北海道白滝遺跡群」から出土した黒曜石の石器など1900点余りが新たに国宝に指定されることになりました。道内の国宝は函館市の中空土偶に次いで2件目になります。

これは18日に開かれた文化庁の文化審議会で永岡文部科学大臣に答申されました。
新たに国宝に指定されるのは、遠軽町白滝地区の「北海道白滝遺跡群」から出土した黒曜石の石器や、石器を製作する際に出た数百点の破片を接合した「接合資料」など合わせて1965点です。
これらはおよそ1万5000年前から3万年前の後期旧石器時代の幅広い期間に作られていて、石器の形や大きさ、製作技法などの変遷をたどることができます。
中には全長36.3センチの超大形の「尖頭状石器」もあり、国内の旧石器時代の出土品では内容、質量ともに群を抜く資料として高く評価されました。
白滝遺跡群の出土品は日本で最も古い時代の国宝になり、道内では函館市の中空土偶に次いで2件目の国宝指定になります。
また、今回の答申では北見市の常呂川河口にある縄文時代から続縄文時代にかけての集団墓地から出土した土器や石器、玉類など合わせて1805点が国の重要文化財に指定されることになりました。

【北海道白滝遺跡群とは】
「北海道白滝遺跡群」は、国内最大級の黒曜石の産地として知られる赤石山の近くにあります。
黒曜石はマグマが冷えて固まったいわば「天然のガラス」で、割るだけで鋭い刃物を作り出すことができ、マンモスが生きていた太古の時代から人々が石器作りに利用していました。
白滝遺跡群の特徴について、遠軽町埋蔵文化財センターの松村愉文所長は「赤石山から流れてくる川と湧別川の合流点に非常に近いところなので、石器の材料になる黒曜石を手に入れやすい場所だったと思う」と話しています。
遺跡群から出土した石器などの資料はおよそ700万点にも上り、良質な原石から作り出した長さ30センチを超える大形の尖頭状石器も数多く見つかっています。
出土品の多くは遠軽町埋蔵文化財センターが保管・展示していて、時代を経て変わってきた石器の形状や製作技法などの変遷を見ることができます。
遠軽町では太古の人々の暮らしを支えた黒曜石や貴重な地質を分かりやすく学んでもらおうと、2012年に「白滝ジオパーク交流センター」を開設し、子どもの社会科見学の受け入れや黒曜石から石器を作る体験学習などを行ってきました。
松村所長は「日本の旧石器時代を代表する評価を受けたことは大変うれしいです。より多くの人に知ってもらうためにツアーなどを開催してPRに取り組んでいきたい」と話しています。

【遠軽町長コメント】
白滝遺跡群の出土品を国宝に指定する答申が出されたことを受けて、遠軽町の佐々木修一町長は「旧石器時代を代表する考古資料として学術的価値が評価されたことは非常に栄誉あることであり、誠に感慨深いものがあります。今後も遠軽町が取り組む白滝ジオパークの魅力として、観光振興、地域活性化の新たな起爆剤としながら、持続可能な地域づくりに生かしていきたい」というコメントを出しました。