道東モチーフのラッピング列車完成 国・道の支援で導入の車両

国や道の支援で導入されたJR北海道の新たな車両に北海道の自然や生き物が描かれたラッピング列車が完成し、26日、報道関係者に公開されました。

公開されたのは、H100形という車両のラッピング列車あわせて2両で、▼釧路市と根室市を結ぶ花咲線をイメージした車両には雪の結晶やハマナスの花、▼釧路市と網走市を結ぶ釧網線をイメージした車両にはタンチョウや流氷といった沿線の自然や生き物が車体に描かれています。
内装も北海道らしさを感じさせるものになっていて、座席にはヒグマやナナカマドなどのイラストが描かれているほか、道産のタモ材を使ったテーブルも設置されています。
今年度、JR北海道は国や道の助成を受けた第三セクターから無償で借り受ける形で、あわせて4両のH100形のラッピング列車を導入しますが、車両が完成したのはこれが初めてです。
ラッピング列車は今月30日に貸し切りで釧網線を走った後、道東の新得駅と釧路駅の間で定期運行されるほか、観光列車としての運行も計画されているということです。
JR北海道釧路支社の戸川達雄支社長は「北海道東部に来たという気分が味わえると思う。お客様に愛され、喜んで乗車してもらえるよう大切に使いたい」と話していました。

【道内の“ラッピング”いろいろ】
道内ではこれまでにも、沿線にちなんだラッピング列車が運行されています。
JR釧網線の網走駅から知床斜里駅の区間では、2017年から流氷シーズンに「流氷物語号」という観光列車が運行されていて、去年からは流氷やアザラシなどをデザインした黄色の車両と、森やエゾシカなどをデザインした緑の車両が使われています。
またJR花咲線では、2012年から、沿線の浜中町出身の漫画家、モンキー・パンチさんの代表作「ルパン三世」をデザインした車両が運行されていて、アニメでおなじみのキャラクターが車両側面の全体に描かれています。
車体にラッピングを施す取り組みは、JR北海道以外でも行われていて、札幌市では2011年から、札幌生まれのバーチャルアイドル「初音ミク」を車体にデザインした路面電車「雪ミク電車」が例年11月中旬から3月にかけて運行されています。
また、廃止になった鉄道を利用した十勝の陸別町の観光施設「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」では、2019年、運転体験ができるディーゼルカーに、町内でロケが行われた連続テレビ小説「なつぞら」のラッピングが施されました。
ラッピング列車の効果もあって、この年の施設の利用者は前の年より54%増えたほか、売り上げも過去最高になったということです。