千島海溝沿いプレート境界浅部に固着か 巨大地震起こすおそれ

根室沖の千島海溝沿いで行われた観測で、陸側と海側のプレートの境界の浅い部分に固着しているとみられる領域があるとする研究結果を東北大学などの研究グループがまとめました。この領域ではひずみがたまって巨大地震を引き起こすおそれがあるとして、今後さらに観測や解析を進めるとしています。

東北大学や北海道大学、海洋研究開発機構の研究グループは3年前から根室沖の千島海溝沿いにある海側のプレートが陸側のプレートに沈み込む境界を挟むように海底基地局を3か所設置し、洋上の船から音波を送って跳ね返る時間を測定することで海底の変動を観測しました。
その結果、3つの基地局はいずれも1年間に7センチ程度陸側に移動していることが観測されました。
このため研究グループは、この領域ではプレートどうしが固着していると見られるとしています。
この領域ではひずみがたまって巨大地震を引き起こすおそれがあるとして、研究グループは来年以降も観測を続け、解析を進めるとしています。
調査にあたった東北大学災害科学国際研究所の富田史章助教は「プレートの境界の浅いところで固着している場合、東日本大震災の時のような巨大地震と大津波が懸念されることになり、注意が必要だ」と指摘しています。
この研究結果は、24日から札幌市で開かれている日本地震学会で発表されます。