日常的に家族の介護や世話 「ヤングケアラー」の支援考える

日常的に家族の介護や世話をしている子どもたちいわゆる「ヤングケアラー」の支援について考えるシンポジウムが札幌市で開かれました。

福祉の関係者などが開いたシンポジウムには、ヤングケアラーの現状や支援に詳しい専門家が講師やパネリストとして参加しました。
この中で、専門家は、家族の世話をする子どもが、勉強の時間をとれなかったり、体調を崩したりして退学せざるを得なくなった事例などを紹介し、子どもだけでなく家族全体を支援する必要があると指摘しました。
一方、家庭内のことで子どもたちがみずから支援を求めるのは難しいとして、ふだん大人が多い場所に子どもだけでいたり、きょうだいだけでいつも行動していたりするなど心配に感じた場合は、支援機関などに相談してほしいと呼びかけました。
ヤングケアラーをめぐっては、小学5年生と6年生を対象にことし、道が行った調査で、およそ20人に1人が「世話をしている家族がいる」と回答していて、道が支援の推進計画の策定を進めています。
シンポジウムには、オンラインも含めておよそ500人が参加し、関心の高さをうかがわせました。
ことし6月に開設された相談窓口「北海道ヤングケアラー相談サポートセンター」の加藤高一郎センター長は、「ヤングケアラーは子どもたちだけの問題ではないということを大人がしっかりと学び、子どもたちが声を上げやすい環境をつくることが重要だ」と話していました。