千島・日本海溝巨大地震 「特別強化地域」に道内39市町指定

政府の中央防災会議が30日開かれ、「千島海溝」と「日本海溝」で想定される巨大地震に備えて、防災対策を特に進める地域が新たに指定されました。津波による甚大な被害のおそれのある7つの道県の108つの市町村については、「特別強化地域」として国による財政的な支援などが強化されます。

30日午後、総理大臣官邸で開かれた中央防災会議の会合では、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」で想定される巨大地震と大津波について特別措置法に基づいて防災対策を強化される地域の案が示され、岸田総理大臣が指定しました。
このうち、巨大地震の発生から40分以内に津波で浸水するなどと想定されている「特別強化地域」には、北海道から千葉県にかけての大平洋沿岸の7道県あわせて108の自治体が指定されました。
「特別強化地域」では▽津波避難タワーや寒さ対策の機能がついた避難施設、▽避難のための道路などの整備にかかる費用のうち、国の補助率が2分の1から3分の2に引き上げられるほか、高台への集団移転を進めやすくする手続きの特例が適用され、津波対策が強化されます。
また、震度6弱以上の激しい揺れや高さ3メートル以上の津波のおそれがある「推進地域」には新たに155の市町村が指定されました。
「千島海溝」と「日本海溝」をめぐっては、国が去年末に公表した被害想定では、マグニチュード9クラスの巨大地震と大津波で死者が最大20万人近くに達するとされています。
30日の会合では、千島海溝と日本海溝の巨大地震で想定される死者の数をおおむね8割減らす目標などを盛り込んだ国の基本的な計画も変更され、今後、各自治体のほか病院や大規模商業施設などで新たな計画を策定し、具体的な対策を進めることになります。

【道内では39市町】
道内で「特別強化地域」に指定されたのは次の39の市と町です。
▽函館市、室蘭市、釧路市、苫小牧市、根室市、登別市、伊達市、北斗市
▽松前町、福島町、知内町、木古内町、鹿部町、森町、八雲町、長万部町、豊浦町、白老町、厚真町、洞爺湖町、むかわ町、日高町、新冠町、浦河町、様似町、えりも町、新ひだか町、大樹町、広尾町、幕別町、豊頃町、浦幌町、釧路町、厚岸町、浜中町、白糠町、別海町、標津町、羅臼町

【釧路市長“大楽毛地区に避難施設”】
釧路市が「特別強化地域」に指定されたことを受けて、蝦名大也市長は沿岸部の大楽毛地区に避難施設となる複合ビルを2棟建設する方針を明らかにしました。
蝦名市長は30日の記者会見で、「指定によってハード面での抜本的な対策が進められる」と歓迎したうえで、近くに高台がなく、一部が「津波避難困難地域」となっている沿岸部の大楽毛地区に避難施設となる複合ビルを2棟建設する方針を明らかにしました。
国の補助金を活用する予定で、1棟には高齢者福祉施設や児童館など、もう1棟には消防署の支署が入り、ふだんから住民が利用できるようにします。
着工時期は未定だということです。
蝦名市長は「日頃から使っている場所が避難施設になることが望ましい。地域の人と話し合いを進めて、速やかに避難困難地域の解消に努めたい」と述べました。

【知事は】
鈴木知事は「特別強化地域に道内39の市と町が指定されたことは、これまで道が求めてきた『津波により著しい影響があるすべての市町村の指定』が反映されたものだと受け止めている。特別強化地域では津波避難施設の整備の促進や避難意識を高めることなどハード・ソフト両面からの取り組みを推進していくことが重要で、国や関係する市町村、防災関係機関などと緊密に連携・協力し、道民の命を守るための総合的な防災・減災対策に全力で取り組んでいく」というコメントを出しました。