【滞在記・浦幌町】高校生たちが地元を愛する理由

ディープな人脈を持つ「ローカルフレンズ」ととも地域の宝を探す「ローカルフレンズ滞在記」。
9月の舞台は十勝の浦幌町。ローカルフレンズを務めるのは、浦幌町出身の18歳・井上陽さんと移住4年目の26歳・古賀詠風さん。札幌局の住田カメラマンが2人とともに若者をひきつける浦幌町の魅力を探します。

滞在28日。町で一番だというお祭りへローカルフレンズの2人と向かいます。会場は町内外から来た多くの人で賑わっていました。その数1万5000人。なんと浦幌町の人口のおよそ4倍です。
浦幌町の和牛など特産グルメが並ぶ会場では若者の姿も多く見受けられます。中でもひときわ目立つブースを発見。浦幌出身の中高生が結成した「浦幌部」です。町外の高校へ進学した町出身の高校生たちが、浦幌特産の小豆や町の花「ハマナス」を使ったスイーツを販売していました。
メンバーの一人、嶋田諒さん。隣の本別町にある高校に通いながら活動に参加しています。中学校までは「何もない浦幌町が好きになれなかった」という嶋田さんですが、浦幌部の活動を通して今では「地元のために何かできれば」と思うようになり、将来は浦幌町での起業を目指しています。

実は、浦幌部にいたるまで長い取り組みがありました。2010年、町で唯一の道立高校が廃校に。この時、このままでは中学を卒業した若者は浦幌町とのつながりがなくなってしまうと、大人たちが立ち上がります。近江正隆さんもその1人でした。
まずは浦幌をもっと知ってもらおうと中学生向けにバスツアーを開催しましたが、反応はいまひとつ。それでもあきらめず「地元に誇りをもって育ってほしい」と、学校の先生や農家のみなさんはじめ町のみんなと協力。イベントをしかけるなどの様々な取り組みを続けてきました。
すると、近江さんたちの取り組みを通して浦幌に親しみを持った子どもたちが、中学卒業後も町に関わり続けたいと「浦幌部」を結成。町のために何ができるかを自ら考え、実践してくれるようになっていったのです。大人達の思いが若い世代に伝わり、実を結んだのが「浦幌部」だったのです。
近江さんは、浦幌町に根づくこうした熱気を次の世代にもつなげていってほしいと、若きローカルフレンズの2人に思いを託しました。