安倍元首相の「国葬」 道内自治体の対応は

27日に安倍元総理大臣の「国葬」が行われます。道内の自治体はどう対応しようとしているのか取材しました。

【「国葬」知事・札幌市長は参列へ】
鈴木知事は9日、「国民が哀悼の意を寄せる機会が何らかの形で設けられることには賛成だとこれまでも申し上げてきたが、このたび国の儀式への正式な案内があり、他の日程との関係でも出席が可能なことから知事として対応することにした」と述べ、参列する考えを表明しました。
また、札幌市の秋元市長も21日、「総理大臣を経験された方の公葬ということであり、そこには札幌市長として参列したいと考えている。議会開会中ではあるが、この日の議会日程はないため、他の公務との兼ね合いも含めて検討し、出席することを決めた」と述べ、参列する意向を明らかにしました。

【参列取りやめ求める声も】
こうした判断には異論もあがっています。
鈴木知事、秋元市長ともに公費で参列するとしていて、市民団体などから取りやめを求める声があがっています。
弁護士などのグループは「国葬」への公費での参列は地方自治法に違反するとして支出の差し止めを求めていて、22日も請求の内容について意見を述べる手続きが行われました。
この中でグループの代表を務める池田賢太弁護士は「鈴木知事は記者会見の場で『国葬』に対する賛否の明言を避け、公務としての正当性を強調した。『参列が可能』という理由で公費を支出すべきではなく、知事は改めて参列する理由を丁寧に説明する必要がある」と訴えました。

【「国葬」への対応分かれる】
今回、私たちは政府から案内があった各市のトップの対応を確認しました。
北方領土の隣接地域でつくる連絡協議会の会長を務める根室市の石垣雅敏市長は「市の代表としての公務であり、市の公費で参列する」としています。
また、道内の市長でつくる市長会の会長を務める千歳市の山口幸太郎市長は「市長会会長として弔意を表すため出席する」としていて、費用は市長会の予算から支出するということです。
一方、元国会議員として案内を受けた苫小牧市の岩倉博文市長は欠席する意向を示しています。「公務を優先するため」として、当日は地元の自民党支部で献花を行う予定だとしています。
同じく元国会議員として案内を受けた深川市の山下貴史市長は「議会開会中のため欠席する予定だ」としています。

【弔意表明めぐる対応も分かれる】
自治体として半旗の掲揚など弔意を表すかどうかをめぐっても対応は分かれそうです。
道庁は本庁舎と道内14の振興局で半旗を掲げる方針です。一方、市町村やほかの道立施設に掲揚を求めることはせず、それぞれの判断に委ねるとしています。
主な市について現時点での方針を尋ねました。
道庁と同様、半旗を掲げるとしているのが札幌市です。当日、市役所で半旗の掲揚を行う方針です。
一方、帯広市と北見市は行う予定はないと回答しました。
旭川市など多くの市が現時点で「検討中」としていて、「国葬」をめぐる世論を背景に対応を決めかねている、また、ほかの自治体の対応をうかがっている、そんな様子も見受けられます。

【学校での弔意表明は】
学校での弔意の表明について教育委員会に通知などを出す予定があるかも尋ねました。
これについては、予定していると回答した市は1つもありませんでした。
「検討中」とした市でも「行わない方向だ」と担当者は話していました。
道内では7月、都内の寺院で営まれた安倍元総理大臣の葬儀の際、帯広市の教育委員会が小中学校に半旗の掲揚を要請し、専門家から教育基本法に違反する可能性があるという指摘があがりました。
こうしたことも踏まえ、今回は各市とも、学校での対応は求めないという立場で共通しているのだと見られます。

「国葬」をめぐっては27日当日も市民団体などが反対のデモを予定しています。
「国葬」をどう捉えるか。議論は当日を迎えてもなお続くことになりそうです。