【滞在記・浦幌町】まちは楽しい”イベント”だらけ!

ディープな人脈を持つ「ローカルフレンズ」ととも地域の宝を探す「ローカルフレンズ滞在記」。
9月の舞台は十勝の浦幌町。ローカルフレンズを務めるのは、浦幌町出身の18歳・井上陽さんと移住4年目の26歳・古賀詠風さん。札幌局の住田カメラマンが二人とともに若者をひきつける浦幌町の魅力を探します。

滞在19日目。フレンズの古賀さんに連れられ、木炭を作る炭窯へ。
お邪魔すると、炭窯は十数年ぶりの大改修の真っ最中。隙間ができ熱が漏れないよう注意しながら作業を進めています。この炭窯は、浦幌生まれの背古円さんが去年、受け継いだものです。背古さんの実家は地元で3代続く製材会社。交流のあった町で最後の炭焼き職人が病気になったと知り、この炭窯を継承したいと名乗り出ました。

しかし背古さんは4児の母。その重責をとても1人では負いきれません。そこで手伝いを名乗り出てくれたのが、古賀さんはじめ若者たち。さらにもう1人、なにやら自信に満ちた男性も登場。運送業を営むかたわら修復の手伝いが楽しくて仕方がないと、なんと10回以上も通い続けているとのこと。

こんなふうに1人では大変なことでも、みんなで楽しむのが浦幌流。作業の後は木炭を使った交流会が開かれ、旬の秋味(鮭)を使った「ちゃんちゃん焼き」をみんなで堪能しました。

8月下旬から始まった改修作業には、これまでに延べ100人以上が参加。背古さんは「ずっと守ってきたものをつなげることは、すごいやりがいがある。そこに携われるという楽しさがある」と話します。

そんな浦幌町の木炭をめぐり、さらに新たな動きも起きています。多摩美術大学出身で3年前に移住してきた鹿戸麻衣子さん。背古さんから木炭作りに誘われたことをきっかけに、木炭を使ったオブジェを作るようになったそうです。いまでは道東エリアの4軒のホテルが商品として取り扱ってくれるようになりました。

滞在中、もう一つ楽しそうなイベントに出会いました。子どもたちを農場に招き、収穫した野菜でスペシャルカレーを作るというのです。主宰するのは、農家の元木一彦さん。

浦幌町の食料自給率は2900%。元木さんはこの町の豊かさを知らないまま大人になってほしくないと、こうしたイベントを10年以上開いてきました。「地域のいいところを提供するのが地域の者としての務めじゃないかな。それを楽しくやりたい。」元木さんの思いです。

じゃがいもだけでも8種類あるという畑から、子どもたちは思い思いの野菜を収穫。お気に入りの野菜で作ったカレーは大好評で、中には3杯もおかわりしたという少年も。参加した地元の中学生は「こういう経験はあんまりないからワクワクしちゃいますね」と話していました。この日は子どもの頃に参加したという女性の姿も。母親になったいま、子どもを連れてのカレー作りはもうひとつの大切な思い出となりました。

誰かががんばるだけじゃなく、みんなで楽しみながら次世代にバトンをつなぐ。そんな場がたくさんあるこの町が少しうらやましく、浦幌の魅力をまた一つ見つけたように思えました。