コロナ禍での就職活動事情 “ガクチカ”に悩む学生も

「ガクチカ」という言葉をご存じですか? 就職活動でよく尋ねられる「学生時代に力を入れたこと」を略した言葉です。
これから就職活動が本格化する大学3年生の間では、入学した当初から新型コロナの影響を受けてサークル活動や留学などが制限され、就職活動でアピールできる経験が少ないと不安が広がっています。

【「ガクチカ」に悩む】
就職活動では、「学生時代に力を入れたこと」をエントリーシートや面接で尋ねられるケースが多く、大学生の間では「ガクチカ」と略して呼ばれています。
これから就職活動が本格化する大学3年生の多くは、大学に入学した当初から新型コロナの影響を受けていて、サークル活動や留学などといったさまざまな活動が制限されてきた中、就職活動でアピールできる経験が少ないのではないかという不安が広がっています。
札幌市にある北海学園大学のキャリア支援センターによりますと、特にこれから就職活動が本格化する大学3年生から、「ガクチカ」について▼アピールする経験が無いとか、▼どういった経験をアピールしたらよいか分からないといった相談がたびたび寄せられているということです。
3年生の学生は「コロナ禍で思うような活動ができなかった。コロナ前の先輩たちと比べてアピールできる活動が少ないと思う」と話していました。
北海学園大学キャリア支援センターの春日賢センター長は「思い描いていたキャンパスライフが送れていないということで、悩みを抱える学生は相談を寄せる学生よりも潜在的にはもっと多くいると思う」と話しています。

【ガクチカ支援の動きも】
新卒の学生を中心に就職支援を行っている「札幌新卒応援ハローワーク」では、「ガクチカでアピールできるものが少ない」という学生を支援する取り組みを始めています。
札幌新卒応援ハローワークでは、「ガクチカ」で悩んでいる学生を支援しようと、ハローワークの広報業務について企画や情報発信を行う「学生広報企画チーム」という取り組みを行っています。
この取り組みは、SNSを通して公的な就職支援策を学生に広く伝える方法をハローワークの職員と学生が一緒に企画するもので、現在は3人の大学生が参加しています。
学生にとっては、この取り組みを通じて、就職に関する相談をしながら、「ガクチカ」を増やすことができるということです。
参加している大学3年生は「自分の経験してきたことがほかの学生と比べて少ないのではないかという不安があり、3年生の夏休みが課外活動ができる最後のチャンスだと思い、参加しました。自分の考えを発言する機会が増えたので、その経験を生かしてこれから就職活動に臨みたいです」と話していました。
一方、ハローワークとしては、この取り組みを通じて学生から積極的に意見を出してもらうことで、学生のニーズにあった就職支援を充実させるねらいがあります。
札幌新卒応援ハローワークの笈川英範統括職業指導官は「自分は何もしてこなかったと感じている人でも、相談していく中でアピールできる経験は誰にでもあると思っています。その気づきを促して学生たちの『ガクチカ作り』に貢献していきたい」と話していました。

【アンケート調査】
就職情報サイトを運営する「マイナビ」はことし3月、サイトに登録している大学生5700人あまりを対象に就職活動の活動実態を尋ねるアンケート調査を行いました。
それによりますと、「ガクチカのエピソードとして不足を感じていること」を複数回答で尋ねたところ、▼ボランティア活動が40.4%と最も多く、▼次いで海外留学が36.9%、▼学業・研究活動・ゼミ活動が36.6%、▼インターンシップ・ワンデー仕事体験が36.1%、▼サークル活動が35.6%などとなっていて、主に学業以外の経験で不足を感じる学生が多くなっているということです。

「札幌新卒応援ハローワーク」では、学生の「ガクチカ作り」の支援のほか、就職活動全般に対する支援も行っています。
具体的には▼エントリーシートの添削、▼対面やオンラインでの面接の練習、それに▼自己分析の支援などについて、個別の相談を受け付けているということです。
相談は札幌新卒応援ハローワークで、大卒などの相談窓口は011−233−0222です。
平日の午前8時45分から午後5時15分まで受け付けています。