5900万円詐欺被害者が取材応じる「老後の資産全部失った」

ことし8月、函館市で5900万円の詐欺被害にあった70代の女性が取材に応じ、「老後のための資産をすべて失いました。知らない人からの電話は受けないで欲しい」と詐欺被害の防止を訴えました。

道警によりますと、ことし、8月までに道内で確認された架空請求詐欺や振り込め詐欺など特殊詐欺の被害額はおよそ7億9000万円に上り、過去最悪のペースで増えています。
こうした中、ことし8月、5900万円の詐欺被害にあった函館市に住む70代の女性が9日、函館中央警察署で報道陣の取材に応じました。
まず、女性は、取材に応じた理由について「1人でも被害に遭う人が少なくなることに私が協力できるのであればと考えた」と話しました。
女性はことし6月、不動産会社の社員を名乗る男から電話を受け、「新しく老人ホームが建設されたから入りませんか。入居しないなら希望する人に名義を貸して欲しい」と持ちかけられ、女性は親切心から名義を貸すことに同意しました。
このあと金融庁を名乗る人物から「名義を貸すことは犯罪だ。あなたの財産が国に全部没収される」などとうそをつかれたあと、続いて、弁護士を名乗る人物から「財産を守るために私に預けて欲しい」と再びうその電話があり、指示されるまま10数回にわたって指定先に現金を送った結果、およそ5900万円をだまし取られました。
この手口について女性は「親切心につけ込んでくるので気づくことができなかった」と振り返った上で、「相手が慣れたように話すので詐欺だとは思えなかった」と述べました。
また、女性は詐欺に遭わないためには知らない人からの電話は受けないことだと話した上で、「自分は詐欺に遭いやすいような弱い人間だと思い気をつけていたが、被害に遭ってしまった。不審な電話を受け取ってしまったら誰かに相談して人の意見を聞いて欲しい」と注意を呼びかけました。
函館中央警察署の金森竜介生活安全課長は、「今回の被害を受けて高齢者を中心にチラシを配るなどの個別指導を行っていきます。不審な電話が来たら警察の専用ダイヤル、『#9110』に相談するように注意を呼びかけています」と話しています。