北電 AI活用し運転効率化へ 温室効果ガス削減などに貢献

北海道電力は、来年度から、道内すべての火力発電所と水力発電所で、AI=人工知能を用いた運転の効率化を目指すことになりました。燃油費の抑制や温室効果ガスの削減を可能にする新たな取り組みとして注目されています。

北海道電力が導入する方針を決めたのは、東京のベンチャー企業「GRID」が開発したAI=人工知能のシステムです。
北海道電力は、天候などで刻々と変わる道内の電力需要に効率的に対応するため、どの発電所で、いつ、どのくらいの電力を発電すれば安定した供給ができるかを、計画としてまとめた上で運用しています。
こうしたなか、新たなシステムは、道内の87の火力発電所や水力発電所を、それぞれ、いつ、どのくらい運転すれば最も効率的な発電ができるかを、無限に近い組み合わせの中から導き出すことができるとしています。
北海道電力によりますと、発電の計画は、現在、ベテランの社員が経験などにもとづいて4時間以上かけて作っていますが、AIであれば、数分でこの計画を作ることができるほか、火力発電に使う燃料を3パーセント削減できる見通しだということです。
北海道電力は、このAIを来年度から本格的に運用したいとしていて、燃油費の抑制や温室効果ガスの削減を可能にする新たな取り組みとして注目されています。
北海道電力需給運用部の伊藤万秀部長は、「低炭素社会と安定した電力の供給に寄与したい」と話しています。

【AI=人工知能使ってどうやって効率化?】
私たちの生活に欠かせない電気。
安定して供給するためには、常に需要に合わせて発電量を変える必要があり、北海道電力では、天候や電力の市場での取引など需要に関する情報を元に、どの発電所で、いつどれだけ発電するかの計画を策定しています。
計画は、学校の授業のように、1コマ30分で、最も発電量が多い火力発電所での計画を策定した上で、その一部を水力発電に置き換えて少しでも火力発電での発電を減らすよう、綿密に計算されています。
ただ、道内には火力発電所と水力発電所が87あり、どの発電所をいつ、どのくらい運転するかは無限に近い組み合わせがあるため非常に複雑な作業で、ベテランの経験とノウハウに頼るところが大きいとされています。
今回、この作業を東京のAIベンチャー企業、GRIDが開発したAI=人工知能を使って行うということで、具体的には、「1極」という、1兆を4回、かけ算した数を上回る膨大な組み合わせの中から、それぞれの発電所が発電を始めるまでにかかる時間や、水力発電所の場合はダムの水位など、発電所ごとに異なる特性も考慮して、最も効率的な計画を最短の時間で導き出すということです。
北海道電力は、これまでに行った実証実験で、AIが、火力発電の燃料費や二酸化炭素の低減に寄与することがわかったとして、導入計画を2年早めて、来年度中に関連会社もあわせた道内の火力発電所13か所と水力発電所74か所を対象に運用を開始したいとしています。
中には、北海道の開拓期にあたる明治42年に運転を開始し、いまも稼働を続けている定山渓発電所など、古い水力発電所も含まれるということです。
GRIDの飯野健人さんは、「難しい問題と言われてきたが、取り組んでみると、AIが非常にうまく対応できることがわかった。実用化に向けて頑張りたい」と話しています。