JR北海道 綿貫泰之新社長が就任後初の記者会見

JR北海道の綿貫泰之社長は就任後初めてとなる会見で、維持するためにJRが地元や国に費用負担を求めている8つの区間の取り扱いについて、「国、北海道ともしっかり話していきたい」と述べ、今後、負担のあり方をめぐって国や道と協議を進めていく考えを示しました。

先月17日に就任したJR北海道の綿貫泰之社長は、13日、就任後初めてとなる会見を行いました。
この中で、「新型コロナウイルスの影響で鉄道を含めたグループ全体の収益が傷んでいる。『JR単独では維持困難な線区』や北海道新幹線の札幌駅開業、札幌駅前の再開発事業などさまざまな課題にグループを挙げて乗り越えて、さらに発展できるよう先頭に立って尽力していく」と抱負を述べました。
厳しい経営が続くJRにとって、最大の課題は大幅な赤字となっている区間の収支改善です。
このうち、利用者が少ないため、維持するには地元や国に費用負担が必要だとしている8つの区間について、「現状は利用促進とコスト削減に取り組んでいるが、今後どういった取り組みができるかはこれからの議論になっていく。JRとしてもどんなことができるのかを策定して、国、北海道ともしっかり話していきたい」と述べ、今後、負担のあり方をめぐって、国や道と協議を進めていく考えを示しました。
一方、国からは来年度中にこれらの区間の収支改善策の成果について、「総括的な検証」を行い、「今後の方向性」を示すよう求められています。
これについては、「必ずしも費用負担だけの問題ではないと思っているのでどういうやり方があるのかを含めて相談していく。具体的な部分についてはまだ全く分からない」と述べるにとどめました。
このほか、当面の利用拡大策としては、本格的な観光シーズンを迎えるにあたり、各地での観光列車の運行や周遊券の販売などを行い、収益を回復させたいという考えを示しました。

【最大の経営課題は】
厳しい経営が続くJR北海道にとって、大幅な赤字となっている区間の収支改善が最大の経営課題です。
収支改善のため、JRは6年前の2016年11月、利用客の数が特に少ない13の区間について「単独では維持するのが難しい」と発表しました。
このうち▼留萌線や日高線の一部など5つを廃止する区間、▼花咲線や宗谷線の一部など8つを存続のためには地元と国の費用負担が必要な区間と位置づけました。
廃止を打ち出した5つの区間は、留萌線のみ、地元の一部の自治体から合意を得られていないものの、これまでに4区間で廃止か、廃止が決まっています。
8つの区間については、JRは地元自治体とともに収支の改善を図るための「アクションプラン」をまとめました。
PR動画の作成などの利用拡大策のほか、利用者の少ない駅の廃止などのコスト削減も進めてきましたが、新型コロナの影響もあって昨年度の収支の合計は、過去最大となる141億円あまりの営業赤字となり、改善は依然見込めないままです。
昨年度からの3年間で1302億円に上る財政支援を行った国からは、来年度中に「アクションプラン」の成果について「総括的な検証」を行い、「今後の方向性」を示すよう求められています。
収支改善の成果を挙げるか、地元の負担で一定程度、穴埋めするかしなければ、廃止する区間を増やさざるをえなくなる可能性もあり、来年度までの2年間は綿貫新社長にとって正念場となります。