KDDIの大規模通信障害 暮らしの幅広い分野に影響

携帯大手のKDDIで2日未明に発生したauの携帯電話などの大規模な通信障害。さきほど4日午後4時時点で全国でほぼ回復したとの発表がありましたが、最大で3915万の利用者に影響した可能性があります。

【KDDI利用者の声】
KDDIで起きた大規模な通信障害の影響について4日午前、auの携帯電話の利用者に札幌市で話を聞きました。
80代の女性は「家を引っ越した直後で、固定電話が接続できていない状態です。携帯電話だけが頼りで万が一のときに救急の電話をかけられないことが怖いです」と話していました。
旅行で札幌に訪れたという20代の男性は「つい最近まで就職活動をしていました。企業からの連絡は電話が多いので、就活の期間でなくてよかったです」と話していました。
また50代の男性は「状況の報告や対応策などの周知が遅く、混乱しました」と話していました。

【LINEで救助求める】
警察によりますと、3日午後3時ごろ、島牧村の黒松内岳を登山していた43歳と52歳の男性登山客2人が、標高480メートル付近で道に迷って遭難しました。
2人は携帯電話を持っていましたが、1台は電池が切れていて、もう1台はKDDIで大規模な通信障害が起きた影響で消防や警察と通話ができない状態だったということです。
しかし、データ通信はできたため、無料通信アプリのLINEの通話機能を使って知人に緯度と経度など居場所の情報を伝え、救助要請を依頼したということです。
連絡を受けた知人は午後5時ごろに地元の消防に救助を要請し、およそ2時間後、警察のヘリコプターが遭難した2人を救助しました。
2人にけがはありませんでした。

【新型コロナ対応にも】
札幌市保健所によりますと、KDDIの通信障害の影響で2日、新型コロナウイルスに感染して自宅で療養している人のうち、高齢者や基礎疾患を抱えている人など健康観察をしている一部の人と電話で連絡が取れないケースが数件あり、保健師が直接、自宅を訪問するなどの対応を行ったということです。
また、新規感染者についても3日時点で連絡がついていないケースがあるということで、保健所は確認を急いでいます。

【JR貨物・アメダス・水道検針にも】
JR貨物北海道支社によりますと、KDDIの通信障害の影響で3日、コンテナを管理するシステムが一時使えなくなり、札幌と本州を結ぶ貨物列車の一部に30分から40分の遅れが出ました。
遅れはすでに解消したということです。
また、気象庁によりますと、KDDIの大規模な通信障害が発生した2日未明以降、一時、最大で全国のおよそ500か所の観測地点で、アメダスの観測データを配信できなくなったということです。
4日午後2時半時点でも全国の9か所で影響が続いていて、このうち道内では、上富良野町で気温などのデータを配信できなくなっているということです。
アメダスで観測したデータが、KDDIの回線を通じて、気象庁へ送られているためだということです。
気象庁は、天気予報などへの影響はないとしています。
このほか札幌市水道局は、KDDIの通信障害の影響で、水道メーターの検針のデータを端末から送信するシステムが使えない状況が続いていて、4日の検針作業を中止しました。
5日の再開を目指すということです。

【情報システムの専門家は】
情報システムに詳しい北海道大学情報基盤センターの南弘征教授は、KDDIの大規模な通信障害について、社会への影響が大きい重要なシステムでは通信のバックアップの体制をとることが重要だと指摘しています。
南教授は、今回、気象庁の「アメダス」など社会インフラの広い範囲に影響が及んだことについて、「何かあったときに命綱1本だけでは今の時代は危ないのかと再認識させられた。特に停止すると被害の大きい重要なシステムの場合、緊急時には別の手段でつながるバックアップの体制が大事だ」して、通信を利用してサービスを提供する事業者に対応を求めました。
その上で、「通信回線がインフラとしてどこまで使われているのか、利用者の側もサービスを提供する側も意識しえりをただすことが必要だ」としています。
また、個人の備えについて、▼1台で2つの回線を使える機種を選ぶ、▼Wi−Fiを利用してLINEやSkypeなどの無料通話アプリを使う、▼ほかの人が持っている別の携帯電話会社のスマートフォン経由で、「テザリング」の機能を使って接続する方法などがあるとしています。
南教授は「携帯電話はつながって当たり前かというと必ずしもそうではない。何か起きたときの回避策を身につけておいた方がよい」と話しています。