イトーヨーカドー函館店3日で閉店 市民や元従業員が惜しむ声

3日に閉店するイトーヨーカドー函館店では、利用客から寄せられたメッセージが掲示されていて閉店を惜しむ声が集まっています。

イトーヨーカドー函館店は、設備が老朽化していることや、十分な品揃えを維持出来なくなったことなどから不採算店舗の1つとして3日に閉店することが決まっています。
店内では利用客からのメッセージを募集していて、手書きで寄せられたメッセージを紹介するコーナーも設けられています。
メッセージには「学校帰りに友達とよく寄り道しました」とか「子どものころから訪れていて、いまは子どもを連れてきています」など、店での思い出や、感謝のことばが数多く張り出されています。
店舗を訪れた函館市の40代の男性は「初めてのアルバイトをこの店舗で経験しました。楽しい思い出ばかりで、閉店するのは寂しいです」と話していました。
また、函館市の60代の女性は「日用品や家の中に飾るものなどほとんどのものをこの店でそろえました。生活の一部だったのでとても寂しいです」と話していました。
イトーヨーカドー函館店の成岡宏幸店長は「寄せられたメッセージを読むと閉店を申し訳なく思う気持ちと、これまで店を支えてくれたことに対する感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。
イトーヨーカドー函館店は3日の最終日は通常よりも1時間早い午後7時に閉店するということです。

【開店は42年前】
イトーヨーカドー函館店は42年前、1980年9月3日に当時、大型店が進出していなかった美原地区に複合型の商業施設として開業しました。
売り場は地上2階、地下1階、およそ1万3000平方メートルで、食品や衣料品などが販売されているほか、テナントでさまざまな専門店や飲食店が入居しています。
大型の駐車場を備えた郊外型の大規模な店舗は、市民生活の中心的な商業施設として利用されてきましたが、近年は周辺にほかの大型の商業施設や専門店が相次いで進出するなど、競争が激しくなっていました。
こうした中、イトーヨーカドー函館店を運営する「セブン&アイ・ホールディングス」は、中期経営計画の中で不採算店舗の1つと位置づけ、閉店することを決めました。

【開店に携わった元従業員は】
42年前、イトーヨーカドー函館店の開店準備に携わった男性は、閉店に特別な思いを持っています。
道南の七飯町に住む浅利文博さんは、イトーヨーカドーの元従業員で、42年前函館店の開店に携わりました。
浅利さんは、開店当初は大勢の客が訪れ、店内は人であふれかえるほどだったと振り返ります。
鮮魚売り場の担当をしていたという浅利さんは、みずから市場に訪れて品質のよい魚を仕入れていたということです。
浅利さんは「市民に安くていいものを提供しようと、無我夢中でした。気合いを見せるために市場の魚屋さんのように頭にねじりはちまきをして、売っていました」と当時を振り返ります。
その後転勤して、道内各地を巡りましたが、最後は地元である函館店での勤務を強く希望し、9年前、およそ30年ぶりに函館店に戻ってきたということです。
それから退職するまでの2年半、店内の販売促進のイベントを担当し、道南各地のグルメを紹介する催しを開くなど、市民から人気を集めました。
浅利さんは6年前にイトーヨーカドーを退職しましたが、いまも週に1度は店に買い物に訪れているということです。
浅利さんは「開店の日のことや働いていたときのことを走馬灯のように思い出します。私の社会人としての出発点は函館店から始まったと思っているので、なくなってしまうのは本当にさみしいです」と話していました。