道内の最低賃金 今年度の引き上げ幅をめぐる検討始まる
道内では時給889円となっている最低賃金について、今年度の引き上げ幅をめぐる検討が1日から始まりました。
1日、札幌市で開かれた審議会には、労使双方の代表者などおよそ50人が出席しました。
はじめに最低賃金の改正について、北海道労働局が審議会に諮問しました。
このあと審議会では、経営側から新型コロナなどを受けて厳しい中小企業の経営実態などを考慮した検討を求める声がある一方、一部の団体からは物価の上昇で生活が苦しくなっているとして、最低賃金を時給1500円に引き上げるべきだとの要請が出ていると紹介されました。
審議会では今後、道内の労使双方の意見を踏まえて検討を進め、早ければ8月上旬に北海道労働局に答申し、10月上旬に改正する運びです。
道内の最低賃金は昨年度、28円、率にして3.25%上がって時給889円となっていて、引き続きどの程度引き上げられるかが焦点です。
審議会のあと、会長を務める北海道大学の亀野淳教授は「物価が上がると実質的な賃金が下がる一方で、経営も厳しくなり、労使双方に影響が及ぶ。両者の意見を聞きながら議論を進めていきたい」と述べました。