知床小型観光船協議会が安全運航の自主ルール 地元で説明会
知床半島沖で観光船が沈没した事故を受け、今シーズンの運航を自粛していた斜里町ウトロにある小型観光船の事業者が安全運航の自主ルールをまとめ、地元で説明会を開きました。複数の事業者で出航の可否を判断することや、原則として1社だけでの単独運航はしないことなどを定めていて、16日から今シーズンの運航を始める予定です。
斜里町ウトロで小型観光船を運航する3社でつくる「知床小型観光船協議会」は、4月の観光船沈没事故を受け、今シーズンの運航開始を自粛しています。
運航再開にあたって協議会は安全運航の自主ルールをまとめ、14日、斜里町内で地元の宿泊業者や観光業者を対象に2回にわたって説明会を開きました。
自主ルールでは、▼出航の可否は複数の事業者で協議して判断することや、▼原則として1社だけの単独運航はしないこと、▼予約人数の関係で1社の船に乗り合わせて運航する場合には、別の船を待機させて緊急時に救助に向かえる態勢をとることなどが定められています。
説明会の出席者からは、出航条件などについての質問が相次ぎましたが、運航再開に反対の意見は出なかったということで、協議会は16日から今シーズンの運航を始める予定です。
説明会の後、知床小型観光船協議会の神尾昇勝新会長は「非常に苦しい複雑な状況だが、地域の関係者に支えられ、安全対策を整えた状態で事前の理解を得た上で運航を再開させたい。地元の信頼回復に向けて協力していきたい」と述べました。