JR抜海駅の維持管理費 稚内市が来年度負担しない方針固める

利用者数の減少を受けてJR北海道が廃止の方針を示している宗谷線の抜海駅について、稚内市は来年度、年間およそ100万円の維持管理費を負担しない方針を固めました。

稚内市郊外にあるJR宗谷線の抜海駅は、大正13年の開業で100年近い歴史があり、“最北の無人駅”として鉄道ファンを中心に親しまれています。
近年は利用者数が1日数人にとどまっていて、JR北海道が廃止の方針を示す中、稚内市が去年4月から年間およそ100万円の維持管理費を負担する形で存続していました。
この維持管理費について市は「生活利用は少なく駅を維持することは難しい」として、来年度は負担しない方針を固めました。
市は地域住民の意向を踏まえて最終的な結論を出すことにしていますが、抜海駅は早ければ来年春にも廃止される可能性があり、その場合、市は乗り合いタクシーやスクールバスを運行するなどして地域の足を確保したいとしています。
JR宗谷線では利用者数の減少を受けて駅の廃止が続いていて、ことし3月には中川町の歌内駅が廃止されています。

【自治体負担の駅は半数超え】
JR宗谷線では利用者数の減少を受けて去年からの2年間で▼13の駅が廃止され、▼16の駅が地元自治体の管理に移行しています。
なかでも名寄・稚内間は、JR北海道が線区ごとの収支を公開している平成26年以降、赤字額が25億円を超える状態が続いていて、昨年度の赤字額がおよそ27億7500万円にのぼっています。
また、1キロあたりの1日の平均利用者数、「輸送密度」は、昨年度は174人と、前の年度に引き続き、200人以下の状態となっています。
このため、名寄・稚内間は、「輸送密度」が2000人未満の路線のうち、JR北海道が単独での維持は困難だとする区間に位置づけられています。
宗谷線で廃止された13駅のうち、60%にあたる8駅は名寄・稚内間にあり、ことし3月には中川町が維持管理費を支出していた歌内駅が廃止されています。
また、名寄・稚内間には25の駅がありますが、自治体が維持管理費を支出している駅は音威子府村にある筬島駅など14駅で、半数以上が自治体の支援なくして存続できない状況となっています。