コロナ禍で住まい失った人 支援の取り組み

長引く新型コロナの影響で、解雇されたり収入が減ったりして家賃が払えなくなり、借りている家を退去しなければならなくなる人も出ています。いま、そうした人への支援が行われています。

【居住支援法人】
札幌市豊平区にある不動産会社「めぐみ企画」では、住む場所に困っている人をサポートする「居住支援法人」として道からの指定を受け、相談から入居までの支援を行っています。
会社によりますと、コロナの影響による解雇や減収のため住まいを失ったという相談は、先月までの5か月間であわせて24件寄せられていて、特に、家賃を数か月滞納せざるを得ず、住んでいた家を強制的に退去させられたというケースが増えているということです。
また、相談の中には、「勤めていた観光会社との雇用契約が更新できず、寮も出なければならなくなった。ネットカフェに滞在していて、所持金は1万円しかない」とか「機材をレンタルする仕事をしていたがコロナで仕事がなくなってしまい、友人の家に居候している」などというものもあったということです。
「めぐみ企画」の金城めぐみ社長は、「行政の支援策を使っていれば強制退去にならずに済んでいた人もいる。行政を含めてさまざまな窓口があるので、住まいを失いそうな人は気軽に相談してほしい」と話していました。

【“本当に救われた”】
不動産会社の支援を受けて新たな物件に入居することができた飲食店の元従業員は、「本当に救われた」と話していました。
元従業員は、およそ30年にわたり札幌市の繁華街・ススキノにある飲食店で働いていましたが、去年10月に店が閉まり、職を失ったということです。
その後、ことし3月から、ススキノにある別の飲食店で働き始めましたが、再び店が休業してしまい、家賃の支払いが滞って先月住んでいた部屋を退去せざるを得なくなりました。
このため不動産会社に相談したところ、生活保護の申請を手伝ってもらったほか、その日のうちに今の物件への入居が決まったということです。
新しい物件は、以前に比べて共益費などあわせて毎月1万3000円安くなったということです。
元従業員は「電話で相談するまでは、貯蓄も食べるものもなく、家賃も払えなくてせっぱ詰まった状態でしたが、相談してみると『とにかく住居を確保しましょう』と言ってくれて嬉しかったです。住むところがあるというのはとても安心ができるし、本当に救われました」と話していました。

【住居確保給付金の支給件数増】
道内では、生活が困窮した世帯に一定期間、家賃を補助する「住居確保給付金」の支給件数が増えています。
「住居確保給付金」は、休業や失業などで収入が減り、家賃が払えなくなった世帯や払えなくなるおそれがある世帯を対象に、市町村ごとに定める額を上限に、家賃を原則3か月、最長で9か月支給する制度です。
これまでは、家計を支えている人が仕事を失ってから2年以内が対象でしたが、去年4月からは新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、休業などで収入が減った場合も受け取れるようになりました。
道によりますと、昨年度の道内の支給件数は2718世帯で、前の年度の96世帯を大きく上回っています。
また札幌市では、新型コロナウイルスの感染拡大前は年間の支給件数は40件程度でしたが、昨年度は1684件で、今年度も8月末までの5か月間ですでに640件にのぼっています。
札幌市の担当者は「去年の制度改正と新型コロナウイルスの影響により、申請数は増えています。該当する方はぜひ活用してほしいです」と話していました。
「住居確保給付金」は、各市と振興局の自立相談支援機関で相談を受け付けていて、道や厚生労働省のホームページに窓口の一覧が掲載されています。