相次ぐノロウイルス集団感染

江別保健所管内と函館市、それに小樽市の保育所で園児らあわせて65人が下痢などの症状を訴え、保健所はノロウイルスによる集団感染とみて調べています。

江別保健所管内の保育所で、今月7日から13日にかけて園児22人と職員3人のあわせて25人が下痢やおう吐などの症状を訴えました。
入院した人はなく、15人が医療機関で検査や治療を受けましたが、現在は回復、または快方に向かっているということです。
保健所などが症状がある8人を検査したところ、5人からノロウイルスが検出されたということです。
保健所は、保育所で提供された食事を食べた人に感染していない人がいることから食事が原因ではなく、外で感染した人がウイルスを持ち込んで広がった集団感染とみて調べています。

また、函館市内の保育所で今月8日から16日にかけて園児18人と職員7人のあわせて25人が下痢やおう吐などの症状を訴えました。
全員が医療機関で検査や治療を受けましたが、入院はせず、現在は回復、または快方に向かっているということです。
保健所などが症状がある7人を検査したところ4人からノロウイルスが検出されたということです。
保健所によりますと、園児が保育室内でおう吐し、処理をした職員からもウイルスが検出されたことから、おう吐したものから感染が広がったとみて調べています。

さらに、小樽市内の保育所で今月9日から16日までに園児15人が次々に下痢やおう吐などの症状を訴えました。
保健所によりますと、15人全員が医療機関で検査や治療を受け、このうち1人が入院しましたが、現在は全員が回復、または快方に向かっているということです。
保健所と医療機関で症状がある5人の園児を検査したところ、3人からノロウイルスが検出されたということで、保健所は集団感染とみて調べています。

道内では先月から今月にかけてノロウイルスの集団感染が相次いでいます。
なかでも札幌市の患者数は、全国的にノロウイルスが流行した2015年以来の高い水準となっていて、保健所は手洗いの徹底や食品の加熱を十分行うよう注意を呼びかけています。

【なぜ相次ぐのか 感染を防ぐには】
道内ではこのところノロウイルスの集団感染が相次いでいて、▼今月11日と12日には道東の別海町でバスケットボールの大会に参加した中学生51人と教員2人がおう吐や下痢などの症状を訴え、このうち4人の便からノロウイルスが検出されました。
また、▼宗谷地方の保育所でも今月3日から13日にかけて、園児19人と職員1人が症状を訴え、園児5人からノロウイルスが検出されました。
▼先月28日からの6日間であわせて120人あまりがおう吐や下痢の症状を訴えた札幌市の野外教育施設「札幌市青少年山の家」のケースでは、ノロウイルスの感染源が施設で出された朝食とみられていて、調理担当者からもウイルスが検出されました。
施設の管理者はNHKの取材に対して「厨房の職員には手洗いを徹底させ、食材を加工する外部事業者からも月に1度、細菌検査の報告を受けていたがノロウイルスが検出された。今後は、施設の職員や利用者の体調を細かに把握し、保健所の研修を受けるなど管理を徹底していきたい」と話しています。
道や札幌市によりますと、定期的に報告を受けている医療機関で確認されたノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の患者数は、先月1日から今月5日までのおよそ1か月で2300人あまりにのぼり、中でも札幌市では全国的にノロウイルスが流行した2015年以来の高い水準となっています。
ノロウイルスは例年秋から冬にかけて感染者が多くなる傾向ですが、最近では春から初夏にかけての時期も感染者が増えていて、札幌市では去年、集団感染した患者の3人に2人は4月から6月に集中しています。
また、国立感染症研究所などが3年前、ノロウイルスの7割以上を占める「Gツー.2」というタイプのウイルスを詳しく調べたところ、遺伝子のヒトへの感染力に関わる部分で変化が起きていて、感染の危険性が高まっているおそれがあることがわかっています。
過去に感染し、免疫を獲得した人でも感染しやすくなっている可能性があるということです。
ノロウイルスに感染した場合、健康な人は数日で回復しますが、乳幼児や高齢者などは重い脱水症状のほか、おう吐物をのどに詰まらせる窒息にも注意が必要です。
感染を防ぐためのポイントについて札幌市保健所の山口亮さんは「食事の前やトイレを使う際の手洗いを徹底することや、食品は十分に加熱して食べることが大事だ」と話しています。
そのうえで感染を広げないための対策として、▼症状が治まったあとも手洗いをすることや▼吐いたものや便を処理する際は、マスクや手袋を着用した上で内側に向かって拭くこと、それに▼次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用の漂白剤などを使って消毒することが大事だと指摘しています。