JR 過去最大175億円赤字に

JR北海道は、地震の影響で利用客の数がさらに落ち込んだことなどから、今年度のグループ全体の最終的な損益が175億円の赤字となる見通しを明らかにしました。
過去最大の赤字幅で、極めて厳しい経営状況が改めて浮き彫りとなっています。

JR北海道は9日発表したことし9月末までの中間決算で、今年度の業績見通しを明らかにしました。
それによりますと、単独では維持が困難だとしている区間での赤字に加え、地震の影響で利用客の数がさらに落ち込んだことから、グループ全体の最終的な損益は175億円の赤字となる見通しです。
グループ全体の赤字幅としては過去最大で、極めて厳しい経営状況が改めて浮き彫りとなっています。
また、あわせて示された昨年度の北海道新幹線の収支は98億円の赤字でした。
今後JRは、赤字路線の見直しをめぐる沿線自治体との協議を加速させられるか、北海道新幹線の赤字の主な原因となっている青函トンネルの維持費で国から支援を得られるか、さらに、外国人観光客の利用促進をどこまで図れるかが課題となりそうです。
綿貫泰之常務は会見で、「人口減少が進む中で鉄道の利用客の確保は難しいのが実態だが、道外からの観光需要を取り込み収支の改善につなげたい」と述べました。

【昨年度の路線ごとの収支】
JR北海道は9日、昨年度の路線ごとの収支も明らかにしました。
見直しの対象としている区間を見ていくと、鉄道を廃止してバスなどへの転換を進めたいとしている5区間は、あわせて27億1800万円の赤字となりました。
▼根室線の富良野・新得間は7億500万円の赤字、
▼留萌線の深川・留萌間は7億3200万円の赤字、
▼学園都市線の北海道医療大学・新十津川間は3億1400万円の赤字、
▼石勝線の新夕張・夕張間は2億700万円の赤字、
▼日高線の鵡川・様似間は7億6000万円の赤字となっています。
一方、JRが地元自治体などと費用負担を協議したいとしている8つの区間の赤字は、あわせて135億1000万円となっています。
▼宗谷線の名寄・稚内間は27億3300万円の赤字、
▼石北線の新旭川・網走間は42億4300万円の赤字、
▼花咲線の釧路・根室間は11億1000万円の赤字、
▼室蘭線の沼ノ端・岩見沢間は12億3300万円の赤字、
▼根室線の滝川・富良野間は12億7000万円の赤字、
▼釧網線の東釧路・網走間は14億9700万円の赤字、
▼日高線の苫小牧・鵡川間は4億2600万円の赤字、
▼富良野線の富良野・旭川間は9億9800万円の赤字でした。
これで見直しの対象としている13区間の赤字幅は、あわせて162億円と、前の年度からさらに拡大しJRの経営を圧迫しています。

【知事“積極的に関与”】
高橋知事は9日の記者会見で、「事前の予測よりも更に赤字幅が広がっている。震災の影響も色濃く出ていると思うので仕方のない面もあるがJRの厳しい経営状況を改めて認識した」と述べました。
その上で高橋知事は、「来年度予算の政府案の閣議決定は年内にされ時間があまりない。国の主体的な責任も重要だが、道としても、交通手段の確保の観点からJR問題に主体的、積極的に関与していきたい」と述べ、国への働きかけや地域の議論を動きを加速させる考えを示しました。