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◆スーパーハイビジョン・フル解像度プロジェクターを開発
〜 SHV本来の高画質システムを実現!能力をフルに発揮! 〜
(平成21年5月12日)
 

○ NHKでは、臨場感あふれる次世代のテレビジョン放送サービスとして スーパーハイビジョン(SHV)の研究開発を行っています。今回、NHKと日本ビクター(株)は、共同でSHVのフル解像度となる3300万画素の映像を60フレーム/秒で表示できるプロジェクターを開発しました。

○ 従来のSHV用プロジェクターは800万画素の表示素子を4枚用い、画素ずらし方式*1により等価的にSHVの解像度を得ていましたが、今回3300万画素に対応した表示素子3枚を用いることで、R(赤色)・G(緑色)・B(青色)の3原色すべてにわたりSHVのフル解像度での映像表示を実現しました。

○ 従来のプロジェクターは2台のユニット(G/GとR/B)用いて表示システムを構成する必要があったのに対し、新開発のプロジェクターでは1台のユニットで使用できるようになり、小型・軽量化を実現しました。投射レンズなどの光学系素子を改善することで、高輝度化(光出力 10,000 lumen)、広ダイナミックレンジ化(コントラスト比*2 5,500:1)についても実現しています。

○ このプロジェクターの開発により、フル解像度(3300万画素)のカメラで撮影した高画質なSHV映像の特徴をこれまで以上に引き出せるようになったことで、実物を見るような高質感の映像を再現できます。

○ 5月21日から24日に開催するNHK放送技術研究所一般公開で本プロジェクターの映像をご覧いただけます。

*1 画素ずらし方式は、光の3原色の中で視覚の解像度に最も寄与しているG(緑色)信号用のみ2枚の撮像素子を用いて、これを斜め方向に半画素ずらし、R(赤色)、B(緑色)信号をそれらの間に配置することで、実質的に縦・横方向に2倍の解像度を得る方式。
*2 プロジェクターで表示できる最も明るい白と最も暗い黒の輝度の比

(参考)
スーパーハイビジョン(SHV)の規格
NHKではSHVの国際規格化に取り組んでおり、映像、音響フォーマットはITU-R(国際電気通信連合、無線通信部門)およびSMPTE(映画テレビ技術者協会)の国際規格になっています。

・ITU-R BT.1769 (2006): ”Parameter values for an expanded hierarchy of LSDI1 image formats for production and international programme exchange”
・SMPTE 2036-1-2007: “Ultra High Definition Television - Image Parameter Values For Program Production”
・SMPTE 2036-2-2008: “Ultra High Definition Television - Audio Characteristics and Audio Channel Mapping for Program Production”


 
 
 
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